阪神・藤浪 屈辱阻止だ!今季本拠地で未勝利G戦へ意地見せる

[ 2016年9月6日 05:30 ]

藤浪(右)を指導する香田コーチ

 6日の巨人戦(甲子園)に予告先発された阪神・藤浪晋太郎投手(22)が、屈辱の連敗記録を阻止する。今季、チームは開幕から甲子園での伝統の一戦で1分けを挟んで6連敗中。6日敗れれば、歴代ワーストの8試合連続未勝利となる。藤浪自身も前回8月30日の中日戦(ナゴヤドーム)でプロ最短1回7失点KOされており、雪辱を期す。

 脳裏に焼き付く悪夢を払しょくすべく、5日の甲子園での指名練習で汗を流した若きエースは、いつもと変わらず、静かな口調で重要なマウンドを見据えた。

 「(気持ちの切り替えは)もちろん。(巨人と対戦するが)相手どうこうじゃない。自分のボールをしっかり投げたい。できることをまず、しっかりとやりたい」

 1週間前。プライドをズタズタに引き裂かれた。満塁弾を浴びるなど、中日打線の餌食となって1回7失点。プロ4年目にして自己ワーストの内容と言える衝撃的なKOを食らった。ベースカバーを怠り、ベンチでは福留に厳しい言葉を浴びせられ「声を出すことしかできなかったんで」と9回まで立ち尽くすしかなかった。

 53球での降板から、首脳陣は間隔を詰めるローテーションも検討したが、予定通り、中6日での登板で落ち着いた。香田投手コーチも「軸足が折れて、つぶれてボールの角度がなかった」と説明した課題を、キャッチボール、ブルペンなどで修正することに時間を割いた。

 復調を期す一戦は、チームにとっても重要なゲームとなる。今季、開幕から甲子園での巨人戦は7試合連続未勝利で7連敗した87、91年に並ぶワーストタイ。6日も敗れるようなことがあれば、球団史上初の“悪しき記録”が生まれてしまうとあって、金本監督も必勝を厳命した。

 「1試合も勝ってないのか…。それは絶対にダメ。やっぱり阪神ファンは、巨人に勝てば(多少なりとも)納得するところはあるから。(巨人戦は)前回、3連敗かな。いつもそういう(やり返す)気持ちでいる。僕も持って、選手も持たないと、突破口は開けない」

 ナインの反骨精神も試される伝統の一戦で、指揮官は迷うことなくキーマンに藤浪を指名した。

 「晋太郎が前回の反省を、どう生かすか。そこが一番注目じゃないかな」

 投げ合う相手はエース菅野。野球の神様は、そう簡単に苦境を打破させてはくれない。それでも藤浪は、真っ向から壁にぶつかる心構えだ。

 「(甲子園での巨人戦未勝利は)気にしたらあまり良くない。(菅野との投げ合いは)簡単に点をあげたら勝てない相手。張り合おうとすると、余計な力が入るので、あまり考えずに自分のできることをしたい」

 残り16試合で3位・DeNAとは4ゲーム差。クライマックス・シリーズ(CS)進出へ厳しい状況は不変だが、勝って、DeNAがヤクルトに敗れれば、自力でのCS進出の可能性が復活する。奇跡の扉を開くべく、猛虎の意地、そして藤浪晋太郎の真価を見せる戦いになる。(遠藤 礼)

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