大谷 日本ハム逆転Vへ禁じ手解く!登板翌日でも打者出場

[ 2016年9月6日 05:30 ]

羽田空港から旭川へ出発する日本ハム・大谷

 6日のロッテ戦(旭川)で先発復帰する日本ハム・大谷翔平投手(22)が翌7日の同戦(札幌ドーム)にDHで出場する可能性が5日、浮上した。栗山英樹監督(55)が明かした。登板翌日の打者出場は新人だった13年以来3年ぶりで、スタメンならプロ入り初めて。登板翌日は打者出場させない「大谷ルール」があったが、1ゲーム差で追う首位・ソフトバンクとのし烈な優勝争いの中で、ついに「禁じ手」が解かれる。

 シーズン最終盤に来て二刀流をフル稼働させる。神戸空港で取材に応じた栗山監督は6日のロッテ戦で先発復帰する大谷について、翌7日の同戦でも打者で起用することを示唆した。

 「それは考えている。もうマニュアルから外れているのは間違いない」。指揮官が語るマニュアルとは、大谷が投手に軸足を置いた2年目以降、球団内で定めた出場ルールのこと。疲労による故障のリスクを避けるため、原則、登板前2日間と登板翌日はコンディショニング調整に充て、打者出場は見送ってきた。

 だが、逆転優勝へ「大谷ルール」を守っている状況ではない。首位ソフトバンクを1ゲーム差に捉え、4日には自力優勝の可能性も復活。最大11・5ゲーム差からの猛追は大谷のバットでの貢献度が高く、常時打者として起用したいわけだ。復帰登板は40~50球がメド。指揮官は「ブルペンと同じ負担でそのまま(7日に打者で)行けるのかなと思う」と言い、今後についても「全て(の可能性)がゼロではない」と残り試合での「大谷ルール」撤廃も示唆した。

 大谷は7月10日ロッテ戦(札幌ドーム)で右手中指のマメをつぶし、球宴での登板を回避。同24日のオリックス戦(同)で救援で1回を投げたが、フォームを崩して復調までに時間を要した。58日ぶりの先発に「緊張もしていないし、ワクワクもしていない。自分の投球をしっかりやれればいい。一人でも多くアウトを取りたい」。その後は13日オリックス戦(同)、そして21日のソフトバンクとの初戦(ヤフオクドーム)に向かう。最後の直接対決となるこの大一番で再び「DH解除」し、投打同時出場する可能性も十分にある。

 旭川では14、15年に2年連続で勝利を挙げ、計14イニング無失点。大谷は「それはたまたまだと思う」と笑うが、縁起は良い。「結果が大事な時期。本人には調整(登板)はないと言ってある」と栗山監督。さらに「(求めるものは)完封だよ。27球なら完封できるだろ」と冗談交じりに話したが、それだけ期待している。 (柳原 直之)

 ◇大谷の登板翌日の野手出場 新人だった13年7月4日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に先発し、5回2/3を1失点でプロ2勝目を挙げると、翌5日のオリックス戦(札幌ドーム)には代打で出場した。同年8月8日の西武戦(当時西武ドーム)では代走で出場し、翌9日のロッテ戦(札幌ドーム)で先発、続く10日の同戦では代走で出場するなど、投打でフル回転した。

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2016年9月6日のニュース