由伸監督 首位・広島に菅野ぶつける 逆転Vへ“ガチ”ローテ

[ 2016年7月22日 05:30 ]

22日のDeNA戦に向けて黙々とダッシュする菅野

 4連勝中の巨人・高橋由伸監督(41)が21日、9ゲーム差で追う首位・広島追い上げへ必勝モード突入を宣言した。22日のDeNA戦(横浜)で先発する菅野智之投手(26)を中5日で28日の広島戦(京セラドーム)へ投入するプランを検討。さらに8月5日の広島戦でも先発するローテーションの変更も視野に入れた。広島と残り12試合ある直接対決を意識し、逆転優勝へのドラマ完成を目指す。

 強い日差しをもはね返す、まなざしの力強さだった。梅雨が明けて真夏の日差しが照りつけた早朝の新神戸駅。高橋監督は帰京する新幹線ホームで、はっきりとした口調で言い切った。

 「先ばかり考えていても、今、勝たなければ先はない。上のチームは下のチームが勝ち始めると嫌なものだからね」

 前半戦を借金1で折り返したが、球宴明けの敵地・甲子園での阪神戦で3連勝。球宴を挟んで今季4度目の4連勝となり、約1カ月ぶりに貯金生活に入った。だが、「神ってる」広島も勢いは衰えず、ゲーム差はいまだ9。厳しい戦いに変わりはないが、反撃する態勢が整ってきた手応えはある。指揮官が逆転優勝を意識した言葉を口にしたのは、首位・広島が独走態勢に入って以降では初めてだった。

 その高橋監督が視野に入れているのが、エース菅野の広島撃ちローテだ。22日に先発する菅野の次の登板について指揮官は「投げてみてだね。必要があれば考える」としたが、28日の広島戦(京セラドーム)に中5日で投入するプランが浮上した。26日からの広島3連戦(岐阜、京セラドーム)は逆襲へ大きなポイントになる。尾花投手コーチも菅野のコンディションが最優先だとしながらも「(差を)離されてからぶつけたってしょうがない」と直接対決の3戦目での投入を示唆した。

 さらに、そこから中7日で回れば、再び直接対決となる8月5日からの広島3連戦(マツダ)の初戦に菅野をぶつけることができる。その場合は中5日登板の後、休養の確保も可能だ。「パ・リーグくらい(のゲーム差に)なってくれば、また違ってくる」。パ・リーグでは2位・日本ハムが首位のソフトバンクとのゲーム差を最大11・5から現在の4・5まで縮めた。高橋監督は同じ状況に持ち込むための最善策を練っている。

 広島との残り12試合の直接対決。チームリーダーの阿部が口にした広島との「ガチンコ」対決で叩くことが逆転Vへの近道なのは間違いない。「まだ追いかけるチームは遠くにいる。一つずつ勝っていくことしかできない」と高橋監督。まなざし鋭いその目には逆転優勝のドラマ完結しか映っていなかった。 (春川 英樹)

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2016年7月22日のニュース