【栃木】作新・今井に日米１２球団集結！１５０球完投で４強へ

＜作新学院・文星芸大付＞４失点完投と粘投した作新学院のエース今井

第９８回全国高校野球選手権栃木大会準々決勝 作新学院６―４文星芸大付

（7月21日 栃木県総合運動公園）
　第９８回全国高校野球選手権大会（８月７日から１５日間、甲子園）の地方大会は２１日、４１大会で２０７試合が行われ、北北海道、青森、山形で代表校が決まった。栃木大会では６連覇を目指す作新学院が文星芸大付に６―４で逆転勝ちし、４強に進出。今秋ドラフト候補の今井達也投手（３年）が４失点しながら１５０球を投げ抜いた。２２日は２４大会で１１１試合が行われる。

　最後の打者をこの日１５０球目となる１４６キロで空振り三振に仕留めると、作新学院・今井は右拳を握りしめてマウンドで吠えた。熱投を癒やすかのように降りだした雨が気持ち良かった。７安打で４点を失いながらも執念の公式戦初完投で文星芸大付をねじ伏せた。「最後は技術じゃなく、気持ちが強い方が勝つと思った。気持ちで投げた」。紅潮した頬が激闘を物語った。

　県最長を更新する夏６連覇へ大きなヤマ場となった一戦。ネット裏からは日米１２球団３０人のスカウトが１メートル８０、７０キロの右腕へ熱視線を送った。序盤から自己最速タイの１４９キロを計測。しかし、３点リードの７回に制球を乱し、同点とされた。

　それでも「このままじゃ終われない。一からやり直そう」と切り替え、直球主体の強気の投球で勝ち越しは許さない。すると８回に味方打線が２点を追加。粘り抜いたエースを小針崇宏監督は「チームのためによく投げた」とねぎらった。視察した中日の中田宗男スカウト部長が「まさに快速球。決まった時の直球は素晴らしい」と言えば、ロッテの永野吉成チーフスカウトも「素材はトップクラス。十分候補になる」と絶賛した。

　昨夏は栃木大会で登板しながらも甲子園はメンバー入りを果たせなかった。「勝ち切れたことが成長だと思う。一つずつ勝って、甲子園に行きたい」。自信を手にした今井がＶ６へけん引する。（松井　いつき）