【愛知】東邦・藤嶋 7回零封8K発進「絶対に抑えてやる」

[ 2016年7月22日 05:30 ]

<東邦・渥美農>試合を終えチビッコファンとピースする東邦・藤嶋

第98回全国高校野球選手権愛知大会3回戦 東邦5―0渥美農

(7月21日 春日井市民)
 最速146キロ右腕、東邦・藤嶋がど迫力の雄たけび発進を決めた。見せ場は試合開始間もない初回に訪れる。先頭打者に四球を与え、さらに次打者にはバスターエンンドランを決められて無死一、三塁のピンチを招いた。

 しかし、ここからが並の投手と違う。相手打線が直球狙いと見て取ると3番からの中軸は変化球を効果的に使って簡単に追い込み、最後は110キロ台の落差のあるナックルカーブで3者連続空振り三振で切り抜ける。

 スタンドにも響き渡るほどの大声で雄たけびを上げ、右手でグローブを力強く2度叩く魂のパフォーマンス。エースで四番で主将。チームの大黒柱としての自覚が熱い行動になって表れた。

 「絶対に抑えてやる。そうすればこの後に点が取れると思ってました」

 もちろん、熱いだけではない。続く2回も内野安打と四球、犠打で1死二、三塁のピンチを背負う。しかし、相手打者の気配と三塁走者の動きを見てカウント3―1から低めのボール球でスクイズを阻止するなど得点を許さない。3回以後は力みも消え、結局、7回を被安打4、8奪三振、無失点投球を披露した。

 残念ながら高校通算48本塁打の打棒は影を潜め一挙5点のきっかけを作った2回の死球の後は3打数無安打。それだけに課題も口をついた。

 「球の下を叩いていた。そこを修正します」

 奇しくも渥美農とは昨年も同じ3回戦、日付も同じ7月21日に対戦、10―7の激しい戦いを演じていた。今年も熱戦を期待したファンが大挙押し寄せ、試合開始前に510台が可能な駐車場がパンク。周辺の道路、空き地には違法駐車の車両があふれ、警察官が出動し、取り締まる大混乱を呼んだ。周囲を熱狂の渦に巻き込む藤嶋の熱い夏が始まった。 (中根 俊朗)

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2016年7月22日のニュース