柳田弾で解けた北九州の呪縛“鬼門”で5年ぶり白星

[ 2016年7月21日 06:05 ]

<ソ・オ>初回2死、中越え本塁打を放った柳田

パ・リーグ ソフトバンク2-1オリックス

(7月20日 ヤフオクD)
 出たぁ、待望のギータ弾!ソフトバンク・柳田悠岐外野手(27)が20日、オリックス戦の初回にバックスクリーンに特大の11号ソロ。6月9日のDeNA戦(ヤフオクドーム)以来、実に29試合ぶりとなる本塁打が、後半戦3試合目でチームに初得点をもたらした。7回1死二塁から松田宣浩内野手(33)の適時二塁打で勝ち越し、ソフトバンクが後半戦初勝利。同時に、鬼門の北九州市民球場で5年ぶりの白星を挙げた。

 目が覚めるような一撃だった。初回2死。柳田が中堅119メートルの北九州市民球場のバックスクリーンをはるかに越える130メートル弾を放った。オリックスの左腕・山田の141キロを完璧に捉えた先制の11号ソロ。実に29試合、41日ぶりの一発だった。

 「いいスイングができたし、久々の感触で気持ち良かった。(29試合ぶりは)まあ、そんなもんかなという感じですね」

 チームは後半戦開幕から2試合連続の零敗。球宴前最後の試合となった13日のロッテ戦(QVCマリン)から合わせると23イニング連続無得点が続いていた。柳田も本調子には遠く、前日もことごとくタイミングを外され4打数無安打。「気配」は感じられなかった。

 3番打者として援護ができない自分を責めた。練習中にベンチ裏で「オレ、野球に向いていない」とため息。周囲から「野球が向いてないなら何が向いているんだ?」と励まされても、「何もない。人間も向いていない。動物かな」とふさぎ込んだ。この日のデーゲームで日本ハムが勝ち、敗れれば3・5ゲーム差。そんなチームの苦境で、柳田の本塁打が空気を一変させた。

 1―1の7回に松田が決勝打を放ち、チームは11年4月20日の楽天戦以来5年ぶりに北九州で白星を挙げた。工藤監督は「柳田君のホームランがみんなの気持ちを楽にしてくれた」と評したが、打線自体はわずか5安打。それだけに、試合後の柳田も「投手が頑張っていたので(なかなか追加点が取れずに)申し訳ない」と会心の笑顔とまではいかなかった。

 特別ユニホームで臨む主催試合の恒例イベント「鷹の祭典」は今季4戦目で初白星となり、今年のカラーで青く染まった球場は大盛り上がり。柳田は「調子はまあまあ、なので波に乗れるようにしたい」。鬼門も連敗からも、脱出の鍵はやはりこの男が持っていた。(福浦 健太郎)

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2016年7月21日のニュース