西岡アキレス腱断裂で今季絶望 金本阪神に強すぎる逆風

[ 2016年7月21日 05:30 ]

<神・巨>2回二死三塁、西岡は左線にタイムリーを放つが、一塁を回ったところで急に倒れ込み、中村コーチが心配そうにのぞき込む

セ・リーグ 阪神2-6巨人

(7月20日 甲子園)
 阪神は20日、巨人戦(甲子園)で完敗し3連戦3連敗を喫した。何よりも痛いのは打撃好調だった西岡剛内野手(31)が2回の走塁で左足を痛め途中交代。尼崎市内の病院で「左アキレス腱断裂」と診断され、今季絶望となったことが判明した。近日中に手術を受けるもよう。甲子園での今季巨人戦も6敗1分けで1991年に7連敗して以来の7戦勝ちなし。借金もワースト13。金本阪神が強すぎる逆風にさらされている。

 突っ伏したまま動けず、顔は号泣しているようにも見えた。その姿が事態の深刻さを如実に表していた。1点を追う2回2死三塁。皮肉にも、試合を振り出しに戻す左翼線適時打を放った直後に、西岡に悲劇が襲った。

 長打性の当たりに、全力疾走で一塁ベースを回る直前、左足に異変が生じてもんどり打って倒れた。トレーナーや金本監督、片岡打撃コーチらが駆けつけても立ち上がることすらできない。阪神ファンの悲鳴とエールの中、担架でグラウンドから運び出された。その後、左足首をテーピングで固め車いすで球場を後にした。兵庫県尼崎市内の病院で下された診断結果は「左アキレス腱断裂」という最悪の結果だった。

 前夜19日も、ふがいない打線を一人、鼓舞するように今季2度目となる3安打猛打賞。この日の初回先頭の第1打席で左前打しており、気を吐き続けていた。チームがどん底に沈む中、闘志をむき出しにした全力プレー。その強い気持ちが、自身の肉体の限界まで超えさせてしまったのか…。

 金本監督は試合後「まだ報告は来てないけど…。昨日は3安打、今日は2安打。痛い。それより心配」と顔をしかめた。片岡打撃コーチも「残念というか痛々しかった。あいつのために何とか勝ってやりたかったけど…」と唇をかんだ。ベンチで常に声を出し、投手が苦しい時は真っ先にマウンドへ足を運ぶ。ムードメーカーとしても欠かせない存在だけに、その穴はあまりにも大きい。

 今後は未定ながら、近日中に手術を受ける見込み。通常、歩行するまでにも数カ月を擁する大ケガで、今季中の復帰は絶望的だ。14年にも、3月30日の巨人戦で福留と激突し長期離脱。再び長いリハビリ生活に入ることになった。

 試合は西岡の交代後も相変わらずの拙攻を繰り返し2―6の完敗。聖地・甲子園での3連戦で宿敵に3連敗を喫し7戦して未勝利という惨状だ。明日22日からは目下7連敗中とやられっぱなしの首位・広島と敵地で3連戦。状況だけを見れば明るい光は見えてこない。それでも下を向くことだけは許されない。「最後まで絶対に諦めない」と誰より口にしていたのが西岡だった。無念の離脱となった背番号7の分まで、もう1度、チーム一丸となって試練を乗り越えるしかない。(山添 晴治)

続きを表示

2016年7月21日のニュース