【それぞれの夏】日本ウェルネス・渡部 山あり谷あり高校生活…次はプロで

[ 2016年7月21日 07:14 ]

<東東京大会 帝京・日本ウエルネス>7回無死、中前安打を放つ日本ウエルネス・渡部

第98回全国高校野球選手権東東京大会5回戦 日本ウェルネス1―4帝京

(7月20日 神宮)
 山あり谷ありだった体重105キロを誇る日本ウェルネスの4番、渡部の高校野球生活が終わった。5回戦で帝京に1―4で敗退。「つらい練習もあったけれど、それでも最後までやりきろうと仲間と励まし合ってきた。神宮でプレーしたいと思って東京の学校に来て最後は負けたけど神宮で終われて良かった」。清々しく前を向いた。

 横浜商大高で主軸を打っていたが、家庭の事情などで1年冬に転校を余儀なくされた。中学時代からの知り合いだった水上主将に「また一緒にやろう」と電話で誘われて転校を決意した。

 生活は一変。自宅から2時間かけて登校し、授業後は専用グラウンドがないため30分かけて練習場へ通う毎日。規定で公式戦には1年出場できないため、その間は走り込みなどで体力面の課題に取り組んだ。最後の夏に向け、フォーム修正にも取り組んだ。足を上げてタイミングをとる打撃フォームをすり足に変えて臨み、4回戦の独協戦では2打席連発をマーク。高校通算25本を放った。大きな体でも俊敏な遊撃守備を見せ、球場を沸かせた。

 「なんとかプロにいければ。志望届を出すつもりです」と渡部。「プロになって父が欲しいと言っていた高級車を買ってあげたい」と恩返しを誓った。(藤原 諄也)

 ◆渡部健人(わたなべ・けんと)1998年(平10)12月26日生まれの17歳。小1から光が丘少年野球で野球を始める。中本牧リトルシニアで遊撃手、横浜商大高時代は二塁手だった。あだ名は「ベッケン」。日本人の父とフィリピン人の母を持ち、姉が1人。1メートル75、105キロ。右投げ右打ち。

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2016年7月21日のニュース