【岩手】高田 震災後初の8強!再試合で8点大勝

[ 2016年7月21日 05:30 ]

<金ヶ崎・高田>再試合 初回2死満塁、菊田が左中間へ走者一掃の適時三塁打を放ちガッツポーズ

第98回全国高校野球選手権岩手大会4回戦 高田8―1金ケ崎

(7月20日 花巻)
 第98回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の地方大会は20日、20大会で72試合が行われた。岩手大会では本紙「復興へのプレーボール」で随時連載中の高田が金ケ崎との再試合を制し、11年の東日本大震災後初のベスト8進出。東東京大会では日大豊山が延長10回の末に9―8で岩倉を下し、2年連続8強入りした。1点を追う9回、1年生の西村達貴内野手(1年)が値千金の同点ソロを放った。21日は44大会233試合が行われる。

 2日間で計4時間52分の激闘を制した高田ナインは、誇らしげに応援席を見上げた。全校応援の生徒約500人、ともに苦難を乗り越えてきた野球部OBが震災後初の8強を祝福している。それをしっかり目に焼き付けた。伊藤貴樹監督は「このチームは、昨日を乗り切ったという自信をプラスに変えていけるチームです」と称えた。

 序盤から攻めた。初回2死二塁、2得点に終わった前日は5打数無安打だった4番・伊藤主将が先制の左前打。さらに満塁とし、同じく前日無安打だった7番・菊田が走者一掃の左中間三塁打を放った。この回4点を挙げるなど計8得点。3安打2打点の伊藤主将は「自分たちのペースで試合を運べた」と胸を張った。観戦した12年度副主将の吉田心之介さん(21)は「1~9番までそれぞれが自分の役割を理解している。僕が目指していたのはこういうチーム」と目を細めた。

 震災から5年4カ月がたった。ナインは陸前高田市内の新校舎横の室内練習場と学校から車で約30分かかる大船渡市内のグラウンドの2カ所に分かれて練習している。新校舎に隣接する本来のグラウンドには今も仮設住宅が立っており、全員で練習できるのは新校舎横のアスファルトの大型駐車場での実戦練習などに限られる。伊藤主将は言う。「制約はあるけど、それに応じたメニューや指導をしてくださる。不自由に思ったことはないし、その中でベスト8まで来たことに自信を持ちたい」。前向きな姿勢が09年以来のベスト8進出として実った。

 20日は第3シードの盛岡大付と激突。菊田は「もう一段階ギアを上げて、引き締めてやりたい」と気勢を上げた。(原田 真奈子)

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2016年7月21日のニュース