渡辺主筆 巨人低迷は「由伸の責任じゃない」フロントに苦言

[ 2016年7月8日 05:30 ]

<巨・神>観戦に訪れた読売新聞グループの渡辺代表取締役主筆

セ・リーグ 巨人0―6阪神

(7月7日 東京D)
 巨人は7日、同一カード3連勝を狙った阪神戦で今季ワーストの1安打で零敗し、4位に後退した。東京ドームを訪れた渡辺恒雄読売新聞グループ本社代表取締役主筆(90)が試合後に報道陣に対応。高橋由伸監督(41)を評価する一方、フロントには苦言を呈した。

 投打にわたる完敗を見届けた渡辺主筆は時折語気を強めながら、チームの課題を指摘した。

 「やっぱりこれはね、由伸(高橋監督)の責任じゃないからな。フロントだよ。補強してないんだから。こんな補強せずに、今の陣容で勝てったって無理だよ」

 高橋監督就任1年目の今季は、ここまで79試合を消化し、借金4の4位。昨季からの貧打に苦しんでいる。4番候補として期待された新外国人のギャレットは打率・234、12本塁打、34打点の不振。この日も3打数無安打で途中交代した。クルーズも左足首痛で2軍調整中と厳しい。

 投手陣では昨オフに新たに2年契約を結んだマイコラスが右肩痛で出遅れた。復帰後も2試合に登板して勝ち星がない。ポレダも度重なる故障で長期離脱中だ。球団も現状打破に向けて積極的な補強を繰り返すが、なかなか成果は表れない。

 キューバから獲得したガルシアは4試合で7打数無安打。即戦力として四国アイランドリーグplusの徳島から獲ったガブリエルは、1軍登板すら果たせていない。日本ハムからトレードで獲得した乾も、現在は2軍暮らしが続く。

 この日午前には東京・大手町の読売新聞本社でオーナー報告が行われた。渡辺主筆は老川祥一オーナーや高橋監督らとともに、約1時間に及び、議論を交わした。3年契約を結ぶ指揮官について「無表情だと言うけど、感性豊かだ。記者の前ではあんまり自分の感情を出さん。コントロールする能力、知性がある。最高の人材」と称賛。さらに「長嶋も王も、ボロボロ(のチーム)になったのを引き継いだときに負けてるじゃねえか」と「ON」を引き合いに出し、「ボロボロを引き継いですぐ勝てるわけがないよ」と話した。

 「まだメークミラクルの可能性はある。そこまで持っていってるからいいんだよ。これでめちゃめちゃ頑張ればいい。だから俺は、何にも批判してない」。約5分に及んだ久々の渡辺節。最後は前向きに締めくくった。 (川手 達矢)

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2016年7月8日のニュース