「ナックル姫」吉田、初のマドンナJ入りなるか 強化合宿に懸ける

[ 2016年7月8日 11:00 ]

「ナックル姫」こと吉田えり

 大会5連覇を目指す「第7回WBSC女子野球ワールドカップ」(9月3日開幕、韓国)に出場する侍ジャパン女子代表(マドンナジャパン)候補の強化合宿が9、10日と沖縄で行われる。6月25、26日に行われた新潟合宿を経て、代表候補選手は28人から23人に絞り込まれた。大倉孝一監督は「沖縄合宿で(最終メンバーと同数の)20人に絞る予定」と話しており、当落線上の選手にとってはアピールのラストチャンスとなる。

 今合宿で招集されている投手は7人。前回の14年ワールドカップで招集された投手も7人だった。今合宿メンバーには前回の14年ワールドカップでMVPに輝いた右腕・里綾実投手(兵庫ディオーネ)や「ナックル姫」こと吉田えり投手(BC石川)らが名を連ねているが、中でも吉田が初の侍ジャパン入りへ生き残れるか、注目したい。

 吉田は新潟合宿中の前橋シニアとの強化試合で、1―1の6回から4番手で登板。1イニング目の6回は無失点に抑えたが、2イニング目の7回に決勝点を許し、1安打1失点で敗戦投手となった。今季所属するBC石川では1イニングの登板がほとんどで、2イニングを投げきることはほとんどなかったという。それでも言い訳はせず「同点の場面での1(失)点はかなり悔しい。ここで(反省点を)吸収して、次につなげていくことが(生き残りへ)勝負」と振り返った。全21球中、代名詞のナックルは1球しか投げなかったが、大倉監督から「使い方がいいなと思った」と評価されたのがシュートだった。この試合でも右打者の内角を鋭くえぐるシュートを数球投じ、観客をどよめかせた。

 指揮官が挙げる本大会メンバーの選考基準は「守れることが鉄則中の鉄則」。さらに、投手に関しては「良いボールを投げているが、(突然)乱れるかもしれないというリスクを持っている投手は短期決戦で使えない」としている。前回のワールドカップは里が4試合に登板し、12イニング無失点で4連覇の原動力となったが、5連覇達成には里以外の投手の活躍も不可欠である。「代表は中学生の時から夢、憧れ」と語るナックル姫は、その一員に加わることができるか。今週末、沖縄でマドンナたちの熱きサバイバルが繰り広げられる。(記者コラム・原田 真奈子)

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2016年7月8日のニュース