V候補まさか…常総 エース鈴木4失点「人一倍努力して戻ってくる」

[ 2016年3月21日 05:30 ]

<常総学院・鹿児島実>6回1死、追立にソロを浴びぼう然の常総学院・鈴木

第88回選抜高校野球大会1回戦 常総学院2―6鹿児島実

(3月20日 甲子園)
 開幕し、1回戦3試合が行われた。センバツ優勝経験校同士の対戦は、常総学院(茨城)が鹿児島実に2―6で逆転負けした。

 まさかの敗戦。エース左腕・鈴木はぼうぜんとグラウンドを見つめた。8強入りした昨春に続き、2度目の甲子園は8回9安打4失点。「申し訳ない。初戦を任されたのに大事な場面で打たれてしまった」と唇をかんだ。

 鈴木、樫村の左右の2枚看板に経験豊富な打線を備え、優勝候補の一角と目された。初回に幸先よく2点を先制。しかし、鈴木が4回につかまった。死球をきっかけに、ツーシームを狙い打たれて同点に追いつかれると、5回には4番・綿屋に勝ち越し適時打、6回には7番・追立にソロを浴びた。

 「調子も悪くなく、いけると思ったけど打たれて修正できなかった」。最速148キロを誇る直球は140キロ止まり。9回は樫村にマウンドを託して右翼に回ったが、打球処理に手間取って適時三塁打を許すなど精彩を欠いた。昨春は甲子園で3試合に先発。「何も考えずに投げていたけど、今年は上級生になって逆に考えすぎてしまった」。エースとしての責任を無意識のうちに背負い、力みにつながった。

 それでも、チームとしてこの経験と悔しさは夏につながる。鈴木が常日頃から声を掛けて面倒を見ていた2年生4番・宮里は初回にスライダーを狙って逆方向へ運び、先制の右前適時打。「悔しいけど、楽しかった。次は雰囲気にのまれないようにしたい」と前を向いた。収穫はあった。

 鈴木もすぐに夏への課題を挙げた。「夏までに人一倍努力して戻ってきたい。球種の精度をもっと上げたい。大事なところで勝てる投手になりたい」。最後の夏も、聖地で終える。心に固く誓い、静かに聖地を後にした。 (松井 いつき)

 ▼木内幸男・常総学院前監督(取手市の自宅でテレビ観戦)悪い方の予感が当たっちゃったね。初回に2点取った後、一気にいこうとせず、スクイズで3点目を取りにいってほしかった。鈴木も力んだんだろうね。低めのボールを使えなかった。でも、夏は雪辱してくれると思いますよ。

 ▽常総学院の昨年センバツ8強 米子北との1回戦は14―1で大勝。竹内と宇草が個人大会タイ記録の5盗塁、チームも大会記録にあと1と迫る13盗塁をマークした。今治西との2回戦は、初回に5番・荒原の満塁本塁打が飛び出すなど8―1で勝利。大阪桐蔭との準々決勝では、初回に宇草がプレーボール直後の初球を先頭打者本塁打。一時は2点をリードも、終盤に逆転を喫し3―5で敗れた。2年生エース・鈴木は全3試合に先発し、防御率1・21だった。

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