マー君 右肘の骨片除去手術、投球再開まで6週間もキャンプOK

[ 2015年10月22日 05:30 ]

右肘の手術を受けたヤンキース・田中

 ヤンキースは20日(日本時間21日)、田中将大投手(26)がニューヨーク市内の病院で右肘の骨片を除去するため、同日に関節鏡視下手術を受けたと発表した。投球動作再開まで約6週間で、来年2月中旬から始まるキャンプには間に合う見込み。田中は球団を通じて「無事に成功しました。来年のキャンプには万全の体調で臨めるように、しっかりリハビリに励みたいと思います」とコメントした。

 通称「ねずみ」と呼ばれる遊離軟骨の除去手術で、球団によると、楽天時代から骨片が存在していたという。田中はメジャー1年目の昨年7月に右肘のじん帯を部分断裂した。復帰まで1年以上を要するじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を回避してシーズン終盤に復帰。今回の手術はじん帯とは関係なく、地元紙デイリー・ニューズは「田中が右肘の手術を受けた。だが、あの手術ではない」との見出しで「ヤ軍とファンがこれまでの16カ月間、心配してきたものではない」と来季には影響がないことを強調。その一方で「じん帯の傷が悪化した場合は、どこかでトミー・ジョン手術を受ける可能性がある」とも指摘した。

 田中は数日間、米国に滞在して術後の経過観察やリハビリを行い、帰国する予定だ。2年目の今季はメジャーで初の開幕投手を務め、2年連続2桁となる12勝(7敗)をマーク。ただ、4月下旬から右手首の腱炎などで約1カ月戦列を離れ、年間を通してローテーションを守れなかった。ジョー・ジラルディ監督から「田中は先発の1、2番手」とフル回転を期待される来季。右肘の不安要素を取り除き、年間を通した活躍を目指す。

 ▽遊離軟骨 酷使される関節に繰り返し外力が加わり、関節軟骨や骨の一部が剥がれることで発生する。関節の中を動き回る様子から「ねずみ」とも呼ばれる。剥がれた骨の居場所が悪くなければプレーに影響はないが、場所によっては、神経に触ったり、関節がロックした状態となり支障を来すことがある。

 【田中のメジャー移籍後の主な故障】

 ▽右肘内側側副じん帯部分断裂 14年7月8日のインディアンス戦登板後に右肘痛を訴え、右肘じん帯の部分断裂が判明した。じん帯再建手術を回避し、PRP(多血小板血しょう)と呼ばれる保存療法を選択。9月21日のブルージェイズ戦で75日ぶりに復帰した。

 ▽右手首の腱炎と右前腕部の張り 15年4月23日のタイガース戦に右肘故障後初めて中4日で登板し、同29日のレイズ戦登板に備えてブルペン投球を行った翌27日に右手首の違和感を訴え、故障が判明した。6月3日のマリナーズ戦で41日ぶりに復帰した。

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2015年10月22日のニュース