工藤監督ソフトB伝統“王流”右手で高橋引く!王会長は“代打”待機

[ 2015年10月22日 07:40 ]

2013年ドラフトで、右手でくじを引く王会長

プロ野球ドラフト会議

(10月22日)
 プロ野球のドラフト会議は、22日午後5時から東京都内のホテルで開かれる。県岐阜商の152キロ右腕・高橋純平投手(3年)には最大4球団の1位指名が予想され、ソフトバンクは工藤公康監督(52)が初めてクジを引く。王貞治球団会長(75)の「黄金の右」を継承し、利き手の左ではなく、右手で勝負。24日からヤクルトと対戦する日本シリーズで球団初の2年連続日本一を成し遂げる前に、高校No・1投手をゲットする。
【ドラフト 各球団クジを引く人】

 東京都内のホテルで行われた編成会議。例年通りに1位指名を公表しなかったが、最有力候補は最速152キロ右腕・高橋だ。王貞治球団会長は競合が避けられないことを認めた上で「今、チームが出来上がっているから即戦力は必要ない。何年後を考えることができるから幸せだよ」と将来性重視の考えで、高校No・1投手の指名を示唆した。

 次世代のエースを引き当てる大役。これまで抽選役を務めた王会長だが、今年は「年寄りの出る幕じゃないよ」と工藤監督に託した。今季から指揮を執り、初めてのドラフト会議。指名する選手の運命を左右し、球団の補強戦略にも直結する。それでも、工藤監督に気負いは感じられない。どちらの手でクジを引くかを問われると「右手、右手だよ。食事をする手は右だろ?」と話した。

 利き手の左ではなく右手。偶然の一致だ。王会長も同じ左利きながら、右手で1位抽選に臨み、13年に亜大・東浜を3球団競合の末に引き当てた。07年高校生ドラフトの市船橋・岩崎、同大学・社会人ドラフトの東洋大・大場に続く3連勝となり「黄金の右」と呼ばれたが、その伝説を工藤監督が継承する形となった。就任1年目でリーグ連覇を果たし、新人監督最多タイの90勝をマーク。類いまれな勝負勘を持っており、クジ運も強いはずだ。

 万が一、外した場合には、「代打の切り札」が待機する。王会長だ。外れ1位候補には東海大相模の152キロ左腕・小笠原を挙げており、王会長も「外れたら外れたで、また(競合が)厳しくなるんじゃないか」と予想。工藤監督に2度外させることはできないとの配慮から、自ら出馬する。

 秋山前監督時代は抽選役を任された王会長。「今年は(工藤)監督が引くから気が楽だ」と話す一方で、「(引くクジは)ある程度、決めていかな いとね。上か下か。右か左か」とイメージトレーニングを 欠かさない。「黄金の右」の継投策で、ペナントレー ス同様に、ドラフトも制す。

 ☆王会長の黄金の右手 監督時代の01年に日南学園・寺原を4球団競合の末に獲得した。それまでは巨人監督時代を含め、利き手の左で3連敗。初めて右手を使った抽選で引き当て「黄金の右手」と呼ばれた。05年は高校で福岡第一・陽仲寿(ヨウチョンソ)(現陽岱鋼(ヨウダイカン))を日本ハムとの競合で敗れたが、その後は3連勝。13年は桐光学園・松井裕を5球団の競合で敗れた。

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