デーブ前監督 金庫に眠る秘伝レシピで第2の人生 焼き肉弁当配達も

[ 2015年10月22日 08:30 ]

ファンに1年間の応援の感謝の言葉を述べる楽天・大久保前監督

 「人生いろいろ」だ。成績不振を理由に今季限りで退任した楽天・大久保前監督。楽天の関東圏での今季最後の試合となった3日のロッテ戦(QVCマリン)には長女・モトエさん(26=東京都在住、会社員)が駆けつけた。5カ月ぶりの再会だった。モトエさんも転職を検討中ということで、指揮官は「親子そろって“辞任”です」と自虐ジョークでコーチ陣に紹介していた。

 6日の最終戦セレモニーで「今後は歌舞伎町で居酒屋のオヤジになろうと思います」とあいさつした大久保監督だが、本気も本気。憩い、癒やしの場として、客単価3000円と財布に優しい店を目指すという。実際、西武の2軍打撃コーチを解雇された前回の浪人時には「情熱!つけ麺処。デーブ」を開店し、自ら厨房にも立った。「10月は食べ歩きの旅に出るから、また太って帰ってくるよ」と話したように、食べ歩きは昔からの趣味で、気に入った店では店主から作り方を聞き出し、ラーメンスープや焼き肉のたれなど秘伝のレシピが自宅の金庫に大切に保管しているという。「知人に肉問屋がいるから、焼き肉弁当も出そうと思っているんだ。冷めても旨いタレがある。ハチマキ巻いて配達するよ。12球団の監督で初めてだろ」と夢は尽きない。

 飲食店だけでなく、浪人時には3年かけてPGAのB級ティーチングプロの資格免許も取得。レッスンプロとして1ラウンド3万円で請け負っていたという。「勉強になったね。コーチングの時は赤色のポロシャツじゃない方が受け入られやすいとか、ネクタイは結び目にくぼみを付ければ尊敬の念を表すとか、そんな講義も受講した」と懐かしそうに振り返る。

 たった1年の監督生活。もちろん、華々しい退任会見など用意もされなかった。悔しさ、無念…、やり残したことも言いたいこともたくさんあるだろう。それでも、明るく前向きに新たな人生を歩み出したデーブ。ただ、決して野球への情熱が薄れたわけではない。今後も自らが主催する野球教室を継続。さらに長女が大学時代に韓国に留学していたこともあり、「数年後には韓国に行って、釜山でコーチをやろうかな」と目を輝かせていた。(東山 貴実)

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2015年10月22日のニュース