阪神 西岡併殺が一転“Vゴロ”「勝ち越して帰りたい」

[ 2014年3月30日 08:00 ]

<巨・神>9回無死満塁、一ゴロの間に1点を挙げ、ベンチに戻って笑顔を見せる西岡

セ・リーグ 阪神5-3巨人

(3月29日 東京D)
 和田阪神が粘りに粘って、今季初勝利をもぎ取った。29日の巨人戦(東京ドーム)は毎回の16安打を浴びながらも、堅守を見せて3―3で9回の攻撃へ。無死満塁から西岡が一ゴロを打つと、本塁転送を受けた阿部のボーンヘッドで決勝点が転がり込んだ。断然のV候補と、がっぷり四つに組んだ4時間21分。総力戦で、開幕戦大敗の雪辱に成功した。

 西岡の一ゴロに、あぁ併殺か…とため息をついた阪神ファンが、一斉に喜びへと転じた。上本が有隅球審に「ホームイン」を確認し、次打者のゴメスとハイタッチ。思わぬ形の決勝点だ。

 9回無死満塁からの一ゴロ。一塁手・ロペスが捕り、流れる動きで一塁ベースを踏んだ。これで1死。ロペスはすぐさま本塁へ送球したが、次の瞬間、信じられないプレーが起こった。三塁走者・上本をアウトにするにはタッチが必要なところで、捕手・阿部は本塁を踏んだだけで再びロペスへ送球。上本は、この間にまんまと生還した。

 ロペスが先に一塁を踏んでいなければ本塁フォースアウトが可能だった。阿部のすみやかな一塁送球は“ホームゲッツー”を意図したものと推測できる。そして、上本も自分にできる努力をしていた。本塁手前で急ブレーキをかけたのだ。

 上本 ロペスがベースを踏んで、送球してくるのも見えた。イージープレーで(本塁)アウトになるよりは、挟まれて時間を稼ごうと思いました。

 4番のゴメスにダメ押し打が出て、守護神・呉昇桓(オ・スンファン)が9回裏を締めた。激闘の末につかんだ今季初勝利。和田監督からは深い安どが見て取れた。

 和田監督 苦しい試合でした。16安打打たれて、よく3点でしのいだ。きょう落としてしまうとイメージ的にも悪くなる。伝統の一戦。選手もすごく集中してくれていた。

 勝利の伏線には、再三再四の好守があった。5回は大和、6回にはマートンが本塁好返球を披露した。8回2死一、二塁では長野のセンターへ抜けようかというゴロを、鳥谷がダイビングキャッチ。内野安打にはなったが、俊足の二塁走者・松本哲を三塁にとどめた。

 和田監督 全員の力でもぎ取った1勝です。

 ベンチ入りした野手17人のうち、清水、緒方を除く15人が出場。9回の守りでは内野手登録の坂が、左翼の守備位置についた。前夜に大敗したショックを振り払っての1勝。3安打した西岡は、早くも30日の第3戦に目を向けた。

 西岡 2勝1敗と1勝2敗では大きく違う。勝ち越して大阪へ帰りたい。

 宿敵が相手だからこそ、勝ち越しとなれば2倍、3倍の意味を持つ。昨季は8月末の東京ドーム3連戦3連敗で、以降の大失速を招いた。新しい猛虎を見せつけるには、何が何でも勝つしかない。

続きを表示

この記事のフォト

2014年3月30日のニュース