再試合の桐生第一・山田 決勝進出なら5連投も「まだまだ投げられます」

[ 2014年3月30日 05:30 ]

<新庄・桐生第一>桐生第一・山田は延長15回を投げ抜く

第86回選抜高校野球大会2回戦 桐生第一1―1新庄

(3月29日 甲子園)
 2回戦3試合が行われた。第2試合では新庄(広島)と桐生第一(群馬)が延長15回の末に1―1で引き分け、30日に再試合で対戦することになった。センバツでの引き分け再試合は08年以来6年ぶり5度目。新庄の山岡就也投手(3年)は171球、桐生第一の山田知輝投手(2年)は163球でともに完投した。また、明徳義塾(高知)は10年ぶり、龍谷大平安(京都)は6年ぶりの8強進出を決めた。

 勝者も敗者もないゲームセット。整列して一礼後、両校ナインは握手するか迷い、戸惑いの表情を浮かべた。だが、人生初の延長15回を投げ、163球を投げきった山田は、完投した1回戦と同じく笑っていた。

 「負けなくて良かった。長いイニングを投げられて楽しかったし、まだまだ投げられます」

 終盤のピンチを何度もしのいだ。1―1の延長11回には1死満塁とされたが、田中啓の内角に直球を投げ込み、一ゴロ併殺。15回も2死二塁のピンチを招いたが、今度も内角直球で西島を中飛に打ち取り、再試合に持ち込んだ。「何を投げたか覚えてない」というが、強気な投球が光った。

 4番打者として打席でも気迫を前面に出した。7回には二塁への強い打球が敵失を誘った。直後に一塁へのけん制球がそれた間に、一気に三塁を狙った。投手としてヘッドスライディングは禁じ手だが、迷うことなく手から三塁に突っ込んだ。結果はアウトになったが、勝利への執念を見せつけた。

 山田は昨秋の群馬県大会初戦から、関東大会準決勝までの全9試合を一人で投げ抜いたが、11月に背筋を痛めた。そのため今冬は走り込みなどで体幹を重点的に鍛え上げた結果、体重が5キロ増え体力がついた。以前は上体だけで投げていたが、リリース時だけ力を入れる投球を身につけてから疲れにくくなった。だから試合後も体力的には余裕があった。「冬場の練習のおかげできょうも投げ切れました」と笑った。

 再試合は30日に行われる。決勝まで進出すると、最大で5日連続で登板となる可能性もある。だが「1回戦より良かったし、疲れは感じない」。頼もしい2年生エースが再びマウンドに立つ。

続きを表示

この記事のフォト

2014年3月30日のニュース