マー君 新スタイル確立 元同僚マギーから「インスラ」で見逃し三振

[ 2014年3月30日 06:11 ]

<ヤンキース・マーリンズ>4回から登板し、6回を3安打無失点10奪三振の好投を見せた田中

オープン戦 ヤンキース3―0マーリンズ

(3月28日 タンパ)
 ヤンキースの田中将大投手(25)が28日(日本時間29日)、マーリンズ戦に2番手で登板し、6回を3安打無失点。先発した黒田博樹投手(39)との完封リレーでオープン戦2勝目を挙げた。毎回でメジャー初の2桁10三振を奪う快投。昨年楽天で同僚だったケーシー・マギー内野手(31)から内角へのスライダーで見逃し三振を奪うなど、新たな投球スタイルも確立した。メジャーデビューする4月4日(同4月5日)ブルージェイズ戦に向け、圧巻の最終調整だった。

 完全に意表を突いた。7回、田中は元同僚の右打者マギーに向かって投げ、曲げた。内角へのスライダー。いわゆる「インスラ」を完璧に制球し、見逃し三振を奪った。

 「あまり日本では使わないボールだと思うけど、あそこのコースにスライダーを投げるのを練習していたし、その要求にきょうは応えることができた」。マギーには5回の初対戦でもスライダーで左飛。元同僚は直球勝負を期待したようで攻守交代のすれ違いざまに「バカ」と言われた。思わず笑ったが火もついた。「思いっきり投げましたよ、意識して」と続く対戦でも「インスラ」でバットを振らせなかった。

 スライダーは昨年まで右打者なら外角、左打者なら内角に投げてきたが、逆のコースにも投げ分けた。6回には左打者サルタラマッキアの外角に投じて見逃し三振。「バックドア」である。「インスラ」同様、ボールからストライクゾーンに入ってくるため打者は手を出しにくい。少しでも甘く入れば長打を浴びやすいが、田中の制球力なら可能だ。得意球による新しい試みに手応えをつかみ、投球の幅を広げた。

 テーマは力強さだった。「練習で軽めにやっているのを試合で急にとなると、なかなか力が入らなかった」。初の中6日での調整で強度を上げた。25日のブルペンは通常より約10球多い44球。登板前日の27日はキャッチボールを2度も行い、意識的に強く投げた。滑りやすいメジャー公式球により、過去4度の登板では球が抜けるケースも目立ったが、この日は力を込めても最後までフォームはぶれない。最速151キロを計測し、無四球。宝刀スプリットでも5三振を奪い毎回でメジャー初の2桁10奪三振だ。

 黒田の後を受け、2番手で6回無失点。オープン戦最終登板で完璧に仕上げてきた。4月4日(日本時間5日)のブルージェイズ戦でいよいよメジャーデビューを果たす。「きょうみたいな投球ができれば。よりいい状態に持っていけるようにやっていく」。160億円ルーキーはメジャーで戦い抜く自信を手にし、いざ本番に向かう。

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