広島ドラ2九里 不良グループに目をつけられた時に支えた母へ恩返しの初白星

[ 2014年3月30日 05:55 ]

<中・広>初登板初勝利のウイニングボールを手に野村監督(右)と握手をする九里

セ・リーグ 広島6-1中日

(3月29日 ナゴヤD)
 広島のドラフト2位ルーキー、九里(くり)が開幕2戦目でプロ初登板初勝利。ウイニングボールを手にし「率直にうれしい。100点です」と端正なマスクを崩した。同僚の大瀬良でもなければ、楽天・松井裕でもない。ドラフト2位右腕が新人のトップを切って、白星をつかんだ。

 恩返しがしたかった。九里は米国人の父親を持つハーフ。中学時代に米国から戻り、祖母・淳子さん(78)の自宅がある鳥取県米子市で暮らした。不良グループに目をつけられ、生活が荒れた。更生した後も元仲間から嫌がらせを受けた。つらい時、励まし、支えてくれたのが淳子さん。登板前「きょうは頑張ってね。ドキドキしているわ」とメールが届いた。

 母や妹とともにスタンドで見守る祖母に白星を届ける。強い意志で「全然緊張しなかった」という。亜大4年時の昨季、東都リーグで2季連続MVP。明治神宮大会も制した。私生活でも野球でも数々の修羅場を踏んでいる男は強い。「(祖母や家族には)ずっと迷惑をかけてきたので」と言った孫に対し、祖母は「苦労したことは水に流しましょう」とほほ笑んだ。

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