マー君 滑り込み10勝 169K、初の奪三振王確実に

[ 2012年10月9日 06:00 ]

<ロ・楽>最終戦で今季10勝目を挙げた楽天・田中

パ・リーグ 楽天6―0ロッテ

(10月8日 QVCマリン)
 消化試合ではない。勝利への執念をむき出しにしたのは5回。先頭の今江が放った中前に抜けそうな強烈なゴロに、楽天・田中は迷いなく右足を出した。スパイクの爪先に当たって方向が変わった打球を遊撃・松井が処理。打球が当たった影響もなく、アウトを重ねた。

 「抜けると思ったので足を出したら当たりました」。そう振り返った後、笑顔で続けた。「最後まで順位が決まっていない状況だったので何とか抑えたいと思った」。チームは今季最終戦に勝ち、09年以来2度目の勝率5割以上と4位が確定。その殊勲は紛れもなく、8回4安打無失点に抑えたエースだった。

 自身も4年連続5度目の2桁勝利となる10勝目。今月4日にBクラスが確定した際に星野監督は「残り4試合で勝率5割を狙え」とナインにゲキを飛ばした。重圧をはね返して結果を残した右腕について指揮官は「田中ならやってくれると信じていた」と称えた。

 今季は東日本大震災の復興元年。チームはシーズン終盤までCSを争ったが、東北に朗報を届けることができなかった。星野監督は「このチームは何かが足りない。秋は地獄に近いキャンプになる」と来季を見据えた。

 田中も169個を奪った奪三振のタイトルが確実だが「結果が残せずに申し訳ない。(奪三振は)獲ったことがないタイトルだけど一つの結果です」と会心の笑みはない。全ての経験を糧にして、またスタートを切る。

 ▼楽天・藤田(1点リードの7回に2点適時三塁打)2回以降追加点が取れてなかったし、(田中)将大を助けたかった。

 ▼楽天・聖沢(初回に盗塁を決め、54盗塁で自身初のタイトルは確実)タイトルは引退してからも自慢できるもの。肩書が増えるのはうれしい。

 ≪岩隈の3年抜き球団最長≫田中(楽)がシーズン最終戦を8回無失点で今季10勝目。2桁勝利は09年から4年連続で、08~10年岩隈(現マリナーズ)の3年を抜き球団最長となった。また今季奪三振を169とし、同2位の吉川(日)との差が11に。自身初の同タイトル獲得を濃厚とした。田中は奪三振率8・79、与四死球率1・09、ともにリーグ規定投球回到達者ではトップ。両部門1位ならパでは08年杉内(ソ=現巨)以来。6月22日ロッテ戦の7回からは110イニング連続被本塁打なしでシーズンを終えた。

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