“報徳のイチロー”田村11K完封!2年ぶりVへ前進

[ 2012年7月25日 06:00 ]

<報徳学園・市尼崎>11奪三振で完封した“報徳のイチロー”こと田村伊知郎

兵庫大会5回戦 報徳学園1―0市尼崎

(7月24日 尼崎)
 兵庫では2年ぶりの夏切符を狙う報徳学園が市尼崎を1―0で振り切り、8強入り。田村伊知郎投手(3年)が11奪三振で完封した。

 ピンチを乗り切るごとに吠え、あふれ出る気迫をにじませたボールを捕手のミットに叩き込む。“報徳のイチロー”が文字通り「一球入魂」の熱投で11奪三振完封。2年ぶりの夏切符へ向け、カウントダウンを始めた。

 「球場が相手のホームだったし、試合前の雰囲気は五分か、相手の方に少し分があるくらいだった。だからきょうは試合の入りにピークを持っていき、自分の流れに持っていこうと思いました」

 立ち上がりからアクセル全開。140キロ台の直球主体に、いきなりの2者連続奪三振で主導権を握った。9安打を浴びて2、3、4、6、9回と得点圏に走者を背負いながらも、要所を締めた。「夏は気持ち」と自らに言い聞かせ、最後まで真っ向勝負を貫いた。

 昨年まで影を潜めていた直球の走りが戻った。今春県大会は変化球をほぼ封印。全投球の9割以上で直球を投じ、最速147キロの“宝刀”を磨いた。その成果を本番で発揮。「ガムシャラに投げられた」。本来の姿を取り戻し、胸を張った。

 試合後にはイチローのヤンキース移籍を知り、「僕の名前の由来の人なので…。ビックリです」と目を丸くした。イチローが登録名を「イチロー」に変更した94年の9月19日午前11時1分に誕生したことなどから、「伊知郎」と名付けられた田村。その名に負けじと、輝きを放ち続けている。

 1年生投手として脚光を浴びた、あの夏から2年。体重は7キロ増え、心身両面でひと回り大きくなった。最後の夏。必ずや“原点回帰”してみせる。

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2012年7月25日のニュース