対応追われたCM契約企業「広告の中では“残留”」

[ 2012年7月25日 06:00 ]

CMキャラにイチローを起用している東京・銀座の「ユンケル」看板

イチロー ヤンキース移籍

 イチローの電撃移籍を受け、CM契約を結ぶ企業は対応に追われた。

 東京・銀座のビル上にある佐藤製薬「ユンケル」の広告看板は、まだマリナーズのユニホーム姿。薬局に配布した販促用ポスターや車内づり広告の一部にも同じユニホーム姿のものがあり、港区の同社内では、関連部署が朝から緊急会議を開いた。

 同社広報は「代わりのものができ次第、順次撤去する方針ですが、広告は会社で勝手に作れるものではないので、いつ取りかかれるかメドも立ちません」と説明。「準備が整うまで、広告の中ではしばらくマリナーズに“残留”していただくことになります」と話す。

 テレビCMは現在、私服姿のものを放送中。8月からは新シリーズに切り替えることになっていた。広報は「新シリーズの衣装はたまたまトレーニングウエア。ユニホーム姿だったらと思うと…」と胸をなで下ろした。

 イチローの所属事務所「バウ企画」によると、現在、テレビCMは佐藤製薬を含む5社。うち唯一、ユニホーム姿のイチローが出演するSMBC日興証券(千代田区)は「幸いにも、ユニホーム姿でないバージョンがあるため、そちらに切り替えるよう検討中」(広報)と話すが「契約などの問題もあるので」と、時期は未定となっている。

 マリナーズでの“最後の雄姿”となった各社のポスターは今後、「お宝」になる可能性がある。佐藤製薬は「薬局側と交渉して承諾を得てもらえば、持って行っても結構です」。一方、各支店に巨大ポスターを掲示中のSMBCは「証券会社に“ポスターをくれ”とだけ言いに来るのも気まずいでしょうし…」と、こちらは“無償トレード”に応じない方針だ。

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