不安口にするイチロー「現段階で僕にワールドシリーズを語る資格はない」

[ 2012年7月25日 07:14 ]

<ヤンキース・マリナーズ>9回、ヤンキースのユニホーム姿で打席で構えるイチロー

ア・リーグ ヤンキース4―1マリナーズ

(7月23日 シアトル)
 大リーグのイチロー外野手(38)=本名・鈴木一朗=が23日(日本時間24日)、自ら志願してトレードでマリナーズからヤンキースへ電撃移籍した。

 マリナーズでの立場の変化も感じていた。エリク・ウェッジ監督から「3番で1年間戦う」と命運を託されながら、不振が続くと開幕から2カ月後の6月1日に1番に戻された。今月7日には今度は2番に降格。指揮官は「やるべき選手が打てていない」と公然と批判した。

 「20代前半の選手が多いこのチームの未来に、来年以降、僕がいるべきではない」。身を切るようなその思いは3番失格となった6月以降、少しずつ大きくなった。日々の戦いの中でイチローはずっと悩んできた。

 10月で39歳となる。「怖いですよ。環境が変わることは、怖いです。不安です。ただ、決意した訳ですから、断ち切れるように進んでいきたい。その覚悟を持っているつもり」と言った。ヤンキースでのデビュー戦は8番、さらにジョー・ジラルディ監督からは今後は大リーグのレギュラーシーズンで1度もない左翼を守らせる方針を伝えられた。

 契約更新によるマリナーズ残留も見込めた中で、背番号51とも決別し、31を着けた。自身の野球人生において、最大にして、最後の賭けといえる。

 「現段階で僕にワールドシリーズを語る資格はない。ヤンキースのプレーヤーとして、時間を過ごした時に、そういったものが自分の中で芽生えることを期待している」

 マリナーズで築いた1844試合、2533安打の実績は、常勝軍団のヤンキースでは意味をなさない。イチローの新たなる挑戦が始まった。

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