「ミスター・メイ」健在 杉内、阪神戦で1安打完封

[ 2012年5月5日 06:00 ]

<神・巨>6回無死、杉内(右)は中越えソロの村田を迎える

セ・リーグ 巨人4-0阪神

(5月4日 甲子園)
 巨人の杉内は控えめに左拳を握った。自身初の1安打完封。セ・リーグでは単独、両リーグでトップタイの4勝目だ。チームを4位浮上に導く快投だったが「無四球でいきたかった。悔しいね」。振り返ったのは9回。先頭の藤井彰に四球を与え、準完全試合とはならなかった。

 「立ち上がりが悪いので初回から飛ばしていった。最後はバテて(ボールを)引っかけていた」。過去4試合で2度失点した初回を乗り越えると、あとは一人旅だ。許した安打は4回2死からの鳥谷の中前打のみ。

 「真っすぐが良かった。チェンジアップも。実(松)がうまくリードしてくれた」。高めの直球で打者の目線を上げ、一転して低めにスライダーとチェンジアップを沈めた。

 ソフトバンク時代から杉内は「ミスター・メイ」の異名を持つ。05、07、08年に5月の月間MVPを受賞。07年からは4年間で14連勝したこともある。風薫る5月になると「体がなじんで来るし、気温も暖かくなるから」。巨人に移籍しても、そのリズムは変わらない。「得意な月だからね」とさらに自信を深めた。加えて3年夏にノーヒットノーランを達成した鹿児島実時代から、甲子園は自身の庭。昨季から計3試合、24イニングを投げて自責点0を誇り「(土が)掘れていく感じで投げやすい。好きな球場」と笑顔で話した。

 2週連続で相手エース・能見に投げ勝った。これで3位・阪神に0・5差と肉薄。原監督も「力みがなく、テンポ良く。安心して見ていられました」と手放しで褒めた。今季3度目となった対阪神戦の防御率も0・78。5月に強く、甲子園で強い。そして伝統の一戦に強さを発揮するその姿こそ、背番号18にふさわしい。

 ▼巨人・川口投手総合コーチ(杉内について)語る必要なし。素晴らしい。

 ▼巨人・実松(好投の杉内について)長打のある打者ばかりだったので低め中心。ストライク先行でいきました。

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2012年5月5日のニュース