恩師が語る宮本慎也「ほかの選手を褒めることが大方 宮本らしいね」

[ 2012年5月5日 10:23 ]

宮本 2000本安打達成 

 通算2000安打を達成した、ヤクルト・宮本に母校・PL学園時代の恩師、中村順司元監督らアマチュア時代の3監督が知られざるエピソードを語った。

  ▼中村順司元PL学園監督 守備がうまくて足が速い印象だった。バント、ヒットエンドランについてうるさく言った。87年に立浪、片岡らで春夏制覇して宮本の年(88年)も甲子園に行けると思っていたけどダメだったね。相当ショックだったと思う。大学(同大)に進学してから木製バットの不安を口にしていたから「バットを手のひらで握るのではなく、指で持つ感覚にしろ」と言った。でも2000本を打つとは思っていなかった。北京五輪では「サブロー(ロッテ、PL学園の後輩)はよくやっている」とか話していた。ほかの選手を褒めることが大方。宮本らしいね。

 ▼野口真一下同大監督 PL学園の時、見学に行ったら立浪(3年)の後ろにいて、守備だけなら宮本の方が良いので監督に聞いたら「まだ2年生だ」と。驚きましたね。社会人、プロに行くように育てないとと思っていたので、まずは守備、それから打撃。バスターをやらせ「走れる2番打者になりなさい」と指導した。主将だったので宮本を叱れば全員に伝わると思って、意図的に叱ったところもありました。シーズン前は必ず電話がかかってくるんです。(10年オフに)2年契約を結んだ時も「2000本を打つ猶予をもらいました」と。本当におめでとう。

 ▼石山建一元プリンスホテル監督 1、2番タイプだから「ナイスアウト」を強く言った。進塁、バント、スクイズを磨けばと思い、打撃練習でも右狙いをさせたよ。(当時ヤクルトのスカウト部長の)片岡さんにも「ヤクルトがいいかな。野村監督も好きだろう」と言ったんだ。この間、宮本にキャンプで会ったら「ヤクルトで正解でした」と言っていた。同大と練習試合をやった時、宮本の目の前で球が跳ねたんだけど反射的によけずに、それを右手でつかまえようとした。「こいつはヤマ勘でやっていない」と思ってプリンスへ引っ張ったんだ。よく頑張ったと伝えたい。

続きを表示

2012年5月5日のニュース