落合流継投で王手!CS史上初2戦連続完封

[ 2010年10月22日 06:00 ]

9回1死、高橋から浅尾に交代する際、マウンドでボール遊びをする余裕を見せる落合監督

 【中日2―0巨人】セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第2戦は21日、ナゴヤドームで行われ、中日・落合博満監督(56)の絶妙の継投策で、CS史上初の2試合連続完封で完勝。リーグ優勝による1勝のアドバンテージを合わせて対戦成績を3勝とした。中日は22日の第3戦に勝つか引き分けるかで、3年ぶりの日本シリーズ進出が決定。巨人は打線が5安打と振るわず、3年連続の日本シリーズ進出に崖っ縁に立たされた。

【試合結果


 ベンチを飛び出した落合監督が一直線にマウンドへ向かった。9回1死無走者。リードは2点ある。「代わるか?」。そう高橋に声を掛け、投手交代を告げた。シーズン中でもめったに見られない光景だ。今季、自らマウンドへ足を運んだのは4度あるが、投手交代は1度もない。それほど重要な場面だった。しかも出てきたのは守護神・岩瀬でなく、セットアッパーの浅尾。オレ流継投の神髄がそこにあった。
 「どんな形でもゲームに勝てばいいんだ。シーズン中とは違うよ」
 短い言葉で振り返ったが、阿部、高橋と左打者が続く9回。左腕の高橋が阿部を一ゴロに打ち取ったところで、あえて右腕の浅尾に代えた。高橋も「(高橋)由伸さんまでと思った」という場面で浅尾には「由伸から行くぞ」と伝えている。今季の浅尾は阿部に4打数4安打1本塁打、高橋には3打数1安打2三振。「いい気分で降ろした方がいいだろ」。落合監督は多くを語らないが、浅尾が苦手とする阿部を高橋に打ち取らせてスイッチ。両投手と相手打者の状態、相性すべてを見極めた上での絶妙継投だった。
 8回も無死二塁から亀井、小笠原と左打者が続くところで、先発・吉見を亀井(空振り三振)まで。小笠原を迎え高橋に代えた。亀井から投入すれば右の代打が来ると読み、ワンポイント遅らせたのだ。オレ流戦略は先の先を読み、あらゆる状況を判断する。初戦は高橋→浅尾→岩瀬とシーズン通りにつないだのから一転、短期決戦仕様とも言える継投で岩瀬も温存した。「きのう岩瀬は球数(22球)投げたし、後ろに絶対的な抑えがいれば違うだろ。若いヤツに経験させるのはこういう舞台がいい」。浅尾は次期ストッパー候補で、日本シリーズもにらんでいる。浅尾は「岩瀬さんを休ませることができてよかった」と笑った。
 打線も今季固定できなかった2、6番に起用した英智と藤井が2、3回に機能して2点。それを3人継投で守りきった。CS史上初の2試合連続完封リレーに、指揮官は「それは考えてない。ゼロなら負けることはない。それだけは考えている」と言った。それでも18個のゼロというロジックを積み重ね、王手をかけた。3年ぶりの日本シリーズへ駒を進める1手は、もう落合監督の頭にある。

 ≪本拠で無敵の強さ≫中日はレギュラーシーズンのナゴヤドームで51勝17敗1分け(勝率・750)。CSファイナルSでの2勝を加え53勝17敗1分け(・757)となった。9月以降に限ると○○○○○○○○○○●●○○の12勝2敗(・857)と強さに拍車がかかっている。この日は○吉見―H高橋―S浅尾のリレーで、岩瀬は登板せず。今季レギュラーシーズンで浅尾のセーブは5月12日ソフトバンク戦(ナゴヤドーム)で記録しただけ。この時は2点リードの8回表2死二塁の場面で登板。その裏に味方が2点を加え4点差としたため続投したもの。9回途中から登板してセーブがついたケースは1度もなかった。

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2010年10月22日のニュース