内海“禁断の1球”甘い直球吉見に痛打

[ 2010年10月22日 06:00 ]

2回2死一、二塁、内海は吉見(左)に先制の中前タイムリーを打たれる

 【巨人0―2中日】2回2死一、二塁で、打席には投手。同じ場面で中日・吉見は無失点に抑え、巨人・内海は先取点を奪われた。0―2のロースコアで決着した試合で、明暗を分けるシーンとなった。

 先にピンチを迎えたのは吉見。2死から長野に安打を許し、すかさず二盗を決められて古城を敬遠した。敬遠で投手勝負はセオリー。だが、吉見は細心さを忘れなかった。初球は外角低めのフォークでボール。2球目は低めのスライダーで空振りを奪った。まるで野手と対戦するかのように丹念に低めにボールを集め、直球は5球中1球だけ。最後はフォークで空振り三振に斬った。
 一方の内海は1死から四球と安打で一、二塁とされた。続く堂上直は空振り三振。左腕には、わずかな心のスキが生まれたのだろう。吉見に対してチェンジアップ2球で1―1とした後の3球目、ひざ元を突いたはずの直球が甘くなり、中前へ抜ける先制打を許した。
 直前に投手対投手の打席を経験しながら、吉見の慎重さを生かすことができなかった。内海は勝敗を分けた失投について「あれで勝負でした。内野ゴロを打たせるつもりだった。イン(内角)に投げ切れなかった僕のミスです」と悔やんだ。CSファーストSでは登板機会がなく、レギュラーシーズン最終戦だった8日のヤクルト戦(東京ドーム)以来、中12日の登板だった。空いた登板間隔も勝負勘を鈍らせ、絶対に抑えなければいけない場面での失投を招いた。悔やんでも悔やみきれない1球。リベンジの機会は、もう巡ってこないかもしれない。

 ▼巨人・斎藤投手コーチ(内海に)トータルでみればナイスピッチングなんだけど。

続きを表示

2010年10月22日のニュース