沖縄県民が勝ち取った優勝旗…“興南野球”で頂点へ

[ 2010年8月21日 18:47 ]

史上6校目の春夏連覇を果たし、優勝旗を受け取る興南の我如古主将

 【興南13―1東海大相模】真っ先に優勝候補に挙げられた重圧をはねのけ、興南が夏の頂点に立った。沖縄勢初の快挙と同時に史上6校目の春夏連覇を達成。大旗を手にした主将の我如古は「この優勝旗は興南だけじゃなく、県民が勝ち取ったもの」と誇らしげだった。

 我如古が「先取点を取って島袋を楽に投げさせるのが興南の野球」と言う通りの攻撃を見せた。四回に一気に畳み掛ける。1死二、三塁から伊礼が先制打を放つと、5連打を含む7安打などで7点を奪い、一塁側アルプス席を埋め尽くした応援団を大いに沸かせた。
 ボール球を見極め、好機には思い切りよくバットを振り抜く持ち味を発揮した結果が、19安打13得点だ。六回に3ランを放った我如古は、打線全体を見渡し「(それぞれが)我慢強く、自分の打てる球を待てた」と猛打を説明した。特別な指示をせずとも追い求める打撃を見せたナインを、我喜屋監督は「最後の最後まで自分たちの野球を徹底してくれた」とたたえた。
 沖縄水産が1990、91年と2年連続ではね返された決勝の壁を乗り越えた。我喜屋監督は躍動した選手たちの姿に「いろんな歴史を振り返って胸が熱くなった」と感慨深げだった。
 我如古は「興南で野球のスコアボードじゃなく、人生のスコアボードにいい記録を残していくことを学んだ」と言う。最後の夏、学んだことが最高の結果につながった。

続きを表示

2010年8月21日のニュース