最後の最後に理想の投球…島袋「重圧も幸せ」

[ 2010年8月21日 18:26 ]

 【興南13―1東海大相模】最後は自慢の直球で押した。相手打者のバットが空を切ると、グラブをたたいた興南の島袋に笑みが広がった。史上6校目の春夏連覇、沖縄県勢として初の夏制覇…。「うれしいという言葉しか出ない」。エースは成し遂げた偉業にも、実感がわかないようだった。

 奪った三振はわずかに4。狙われても直球で押し続けた準決勝までの投球スタイルを、この試合では変化球中心に変えた。一回にいきなり迎えた1死一、二塁のピンチを、ツーシームで併殺に切り抜けて、波に乗る。9安打を許したが、打線の大量得点の援護もあり、1失点で投げきった。
 2年生で臨んだ昨夏の甲子園大会は初戦でサヨナラ負け。今春の選抜大会を制しても、あの悪夢を忘れることはできなかった。コーチは「気付いたらいつも黙々と走っている」。6試合のマウンドをほぼ1人で守った。173センチの小柄な体は甲子園で体重が3キロほど落ちた。それでも試合の終盤には140キロ台の真っすぐを投げ込んだ。
 沖縄の期待を一身に背負ってきた。プレッシャーをはねのけて悲願を達成。左腕は「重圧を感じることも幸せ。避けて通ろうとは思わなかった。最後の最後に理想とする投球ができた」と大きくうなずいた。

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2010年8月21日のニュース