1番でも沈黙のイチロー「つまんない」

[ 2009年3月2日 06:00 ]

<日本代表・巨人>3回、イチローは、左飛に倒れ悔しそうにベンチに引き揚げる

 【WBC強化試合 日本代表2-1巨人】試合後のイチローの表情は、意外なほどサバサバしていた。5打数無安打。ノーヒットは11打席連続にまで伸び、実戦6試合で23打数3安打、打率・130は先発メンバーの中で最低だ。

 「悔しいですね。(これほど低打率の想像は)するわけがないでしょう。これで結果が変わると気持ちがいいんだけどね。つまんない、結果が出ないと」
 慣れ親しんだ打順でも、バットから快音は聞かれなかった。練習前に伊東総合コーチから告げられ、前日までの3番ではなく1番打者として出場。本来の定位置で試合に臨んだが、5打席ともスタンドはため息に包まれた。ファーストストライクに手を出したのは、最後の打席だけ。「それはこの時期の僕ですね」と本人も言うとおり例年、春先はエンジンのかかりが遅い。加えてこの日の2球を加え、6試合での全87球のうちファウルは9球だけ。積極的に手を出し、打席内の微調整で結果につなげる本来の形にはまだなっていない。
 「一番慣れている打順だから。チームとして2ウエー(2通り)の作戦が取れるというのを示したかった」と原監督。本番でも1、3番併用の可能性はあるが、何より指定席ともいえる打順で、本来の形を取り戻してほしいとの“親心”だったろう。結果は変わらずも指揮官は「全く心配していない」。天才打者も「気持ちのトレーニングとしては、この2試合はキュッと締まった。それは良かったと思う」とあくまで前向きに話した。
 「個人的には6~7(割)まで持っていきたかったけど…。あとはこの状態でガチガチに力を入れて、思いっ切り力んでいきますよ」。残り練習日は3日。イチローはイチローとして、3・5開幕戦の打席に立つことができるか。

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2009年3月2日のニュース