松坂 右足つっても意地の3回零封

[ 2009年3月2日 06:00 ]

<日本・巨人>日本代表2番手・松坂は3回を1安打無失点の投球

 【WBC強化試合 日本代表2-1巨人】第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表は1日、東京ドームで巨人と大会前最後の強化試合を行い、延長10回、2―1でサヨナラ勝ちした。2番手で登板したレッドソックスの松坂大輔投手(28)は3回を1安打無失点。右足がつるアクシデントで直球は切れを欠いたが、変化球を駆使して抑え、エースの意地を見せた。次は最大のライバル・韓国との対戦が濃厚な東京ラウンド第2戦で先発する。

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 松坂はつとめて明るく振る舞った。チームに動揺は絶対に与えない。最終登板で最速142キロで140キロ超えはわずか3球。その原因を松坂は隠すことなく伝えた。
 「右足がちょっとつった感じになった。ブルペンでは何もなかったけど、そのまま汗をかいた状態で出てしまった。水分補給もできなかったし、脱水というか、それが影響したかもしれない。レッドソックスでも何回かありましたから大丈夫」
 慣れない中継ぎでマウンドに上がるタイミングをつかめなかった。3回に上がったマウンドですでに右ふくらはぎに“違和感”はあったという。でもマウンドは降りなかった。軸足に体重が乗せられず、プレートも強く蹴られない中で、カットボール、スライダーなどで細かな変化をつけて3回1安打無失点。4回1死一塁でマウンドに駆け寄った山田投手コーチに志願して5回も続投した。「こういう状態は本番も想定できるし、その中でも投げなきゃいけませんからね」と松坂。試合中にストレッチを行い、右ふくらはぎをアイシング。「試合後は通常通りの感覚に戻りました」と笑った。
 「3月のこの時期に完全に100%にすることは難しい。7、8割の状態でいかに抑えるか」。焦って急ピッチで調整を進めることはない。前回大会の経験が心にゆとりを与えている。だが、その一方で松坂には投手リーダーとしての使命がある。「本番に入ればチームを勢いに乗せる投球が必要になる」。完全な状態でなくても相手を抑えきる。今回のアクシデントは逆にその課題に取り組める形だった。
 山田投手コーチは「影響があったら困る。大丈夫で心配していない」と語った。松坂の目も東京ラウンド第2戦にすでに向いている。韓国―台湾の勝者が相手だが、韓国が相手となる可能性は高い。「韓国には絶対に負けたくない。ここのところずっと負けている。日本の野球のために絶対に勝つ必要がある」。北京五輪では2度も韓国に敗れるシーンをテレビで見て唇をかんだ。「自分たちは精神面でも絶対に負けていない。日本だって厳しい練習を自分たちに課してきたんです」。日本の野球が一番。それを証明できるだけの自信と経験を松坂大輔は積み上げてきた。

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2009年3月2日のニュース