【二所ノ関親方 初場所総括】緻密な戦略を立てる余裕があった安青錦

[ 2026年1月27日 04:41 ]

優勝決定戦で熱海富士を首投げで破った安青錦
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 終わってみれば安青錦が看板力士の意地を見せ、平幕の下克上を阻止しました。横綱、大関でただ一人、15日間安定した力を発揮。地道な稽古で培われた確固たるスタイルを持つ力士の強さを改めて実証しました。

 千秋楽の優勝決定戦。熱海富士は右を差して食い下がり、大関も手を焼いているようにも見えました。ただ、土俵下で勝負審判として見守った私からすれば、両者には力の差があるとも感じました。勝負を決めた首投げは捨て身というよりは誘うように出した技。熱海富士ががむしゃらに中に入り込もうとしても広背筋とパワーで押さえ込み、中に入りたい気持ちをあおっておいて満を持しての投げ。優勝が懸かった一番でも緻密な戦略を立てる余裕がありました。

 最後までメンタルも体勢もぶれなかった。左が強いから差すと相手の右上手が効かなくなる。さらに低い姿勢を許してしまうと上体が上がって力が出せない状態になります。逆に左をうまく殺せば勝機も出てくる。勝った王鵬、大の里はそういう相撲を取りました。

 来場所はいよいよ綱獲りになります。課題はこれまでも指摘してきました。カモと苦手がはっきりしているタイプ。一度も勝ったことがない大の里を含め、力任せに根こそぎ押し上げてくる力士への対策が急務です。苦手力士はつくらないこと。ここ2場所はともに12勝での優勝。横綱を目指すなら高いレベルの13、14勝も必要になります。

 2横綱は万全でない中で10番。これをどう見るか。調子が出ない中でも途中で立て直したところは評価したい。大の里は一つのリズムで取っているところをつけ込まれています。2人とも稽古量も含め調整段階から見直すべきです。

 自己最高位で10勝を挙げた藤ノ川が春場所で上位総当たりの位置に躍進しそうです。常に全力投球の姿勢は好感が持てますし、小兵ならではの取り口に磨きをかけ土俵を盛り上げてほしいものです。 (元横綱・稀勢の里)

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