【全日本相撲選手権】日大1年の鮫島輝がアマ横綱「最高の稽古相手でライバル」同期の存在が刺激に

[ 2025年12月1日 05:38 ]

全日本相撲選手権の入賞者(左から)2位・大森康弘、優勝・鮫島輝、3位・三輪隼斗、バヤルボルド
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 第74回天皇杯全日本相撲選手権大会が30日、東京・両国国技館で行われた。この大会は、アマチュア日本一を決める最高峰の大会。今年度の各種大会での成績をポイント化したランキング上位の社会人33人、大学生45人、高校生2人の計80人が出場した。昨年は68人の出場だったが、今年は高ポイント獲得者が多かったため出場枠が拡大された。

 初出場の鮫島輝(日大1年)が頂点に立ち、アマチュア横綱に輝いた。1年生の優勝は、1984年の久嶋啓太(のちの幕内・久島海)、2020年の花田秀虎(現アメフト選手)に続いて史上3人目。日大の学生としては2015年のトゥルボルド(のちの幕内・水戸龍)以来のアマチュア横綱誕生となった。史上2人目の3連覇が懸かった池田俊(24=ソディック)はケガで欠場。国民スポーツ大会と全国学生選手権に続く3冠を狙った杉本弘樹(日体大3年)は決勝トーナメント2回戦で岡田尚也(25=アイシン軽金属)に押し出しで敗れた。

 身長1メートル85、体重160キロの体格を誇る鮫島は、力強い四つ相撲や強烈なカチ上げ、懐の深さを生かしたはたき込みなどで勝ち進んだ。決勝の相手は、昨年の国民スポーツ大会優勝の実績を持つ大森康弘(金沢学院大4年)。立ち合いからもろ差しになると相手にまわしを与えず一気に前に出て寄り倒した。「格上の選手なので思い切って自分の相撲を取ろうと思って、勝てたのでよかった」。決勝の舞台で会心の相撲を取り切った。勝った直後は、溢れる喜びを抑えて仁王立ち。そして勝ち名乗りを受けながら歓喜の涙を流した。「信じられないけど、今までやってきてよかった。小学生の頃からこの大会をずっと見てきて、自分がまさか優勝できるとは思ってなかったのでうれしい」。アマチュア最強の称号を手に入れ、夢見心地の様子だった。

 小2で相撲を始めて以来、全国タイトルは自身初。これまで全国中学校体育大会3位、全国高校総体準優勝など上位の常連ながら横綱の称号には惜しくも届いていなかった。今季も全国学生体重別135キロ以上級の3位が最高で、他には選抜大会でベスト8が3回。「個人戦は2位や3位ばかりで、いつもあと一つ勝てなかった。最後に大きな大会で力を出せたのはすごい自信になりました。めちゃくちゃうれしいです」。最高峰の大会で初タイトルを獲得し、喜びを爆発させた。

 日大の同期には学生ランキング1位の西出大毅や全日本大学選抜金沢大会準優勝のムンフビルグーンがいる。春先から1年生トリオの活躍が目立っており、全国学生選手権でも団体優勝に貢献。今大会もムンフビルグーンがベスト8、西出がベスト16と上位に名を連ねていた。「西出とムンフビルグーンの方が個人戦で成績を残していたので、追いつきたい思いでやってきました。西出が同級生にいるのは良い刺激。最高の稽古相手でありライバルでもあるので感謝しています」。練習環境にも恵まれ、稽古の成果で才能が大きく花開いた。

 埼玉栄高出身選手の優勝は、2006年の市原孝行(のちの幕内・清瀬海)、2016年の矢後太規(現幕下)に続いて3人目。同校相撲部同期の幕下・碇潟(伊勢ノ海部屋)、三段目・豪ノ勝(武隈部屋)、序二段・豪清丸(武隈部屋)らが応援に駆けつけており、高校時代の仲間たちとも喜びを分かち合った。鮫島は「2年生まであまり伸びなかったけど、山田先生に“まだ間に合うぞ”と言われて気持ちを切り替えられた。そこが一番大きく変われたところかなと思います」と高校時代を回顧。くしくもこの日は山田道紀監督が相撲功労者表彰を受けており、恩師の栄誉に花を添える形となった。

 ▽決勝トーナメント3回戦(ベスト16)
ムンフビルグーン(日大1年) はたき込み 岡田尚也(25=アイシン軽金属)
三輪隼斗(31=ソディック) 押し出し 奥田史祐(東洋大3年)
木下優希(東農大4年) 上手出し投げ 満上颯悟(日体大3年)
大森康弘(金沢学院大4年) 寄り切り 中島望(29=日大職員)
バヤルボルド(日体大2年) 押し倒し 西出大毅(日大1年)
田畑奨治郎(25=岐阜県) 上手出し投げ 菅原悠翔(東洋大3年)
鮫島輝(日大1年) 寄り切り 岩見剛也(34=マグチグループ)
篠侑磨(金沢学院大3年) 押し出し リ・ビル・クリストファー(日体大4年)

 ▽準々決勝
三輪隼斗 寄り倒し ムンフビルグーン
大森康弘 上手投げ 木下優希
バヤルボルド 押し出し 田畑奨治郎
鮫島輝 はたき込み 篠侑磨

 ▽準決勝
大森康弘 突き出し 三輪隼斗
鮫島輝 はたき込み バヤルボルド

 ▽決勝
鮫島輝 寄り倒し 大森康弘

 ◇鮫島 輝(さめじま・ひかる)2006年(平18)7月16日生まれ、埼玉県入間市出身の19歳。小2から入間少年相撲クラブで競技を始め、黒須中3年時に全国都道府県中学生選手権3位、全中3位。埼玉栄高3年時に全国高校金沢大会準優勝、全国高校総体準優勝。日大に進学し、全国学生体重別135キロ以上級3位。身長1メートル85、体重160キロ。得意は右四つ。

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