プロ9年目で初優勝 金沢志奈が勝ち切るために変えたことと続けてきたこと

[ 2025年9月16日 15:11 ]

金沢志奈
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 【福永稔彦のアンプレアブル】女子ゴルフの金沢志奈(30=クレスコ)が国内メジャー第2戦ソニー日本女子プロ選手権でツアー初優勝を飾った。

 プロテスト合格から8年かかった。これまで何度も優勝争いに加わり、その度に涙を飲んできた。昨年のリゾートトラスト・レディースは初日から3日目まで首位を守りながら最終日にスコアを落とし3位に終わった。

 「去年までの7年は自分が本当に優勝できるのかなという思いだった」。プロ9年目となる今季、金沢は過去の自分と決別するため意識を180度変えた。

 守るのではなく攻める。「去年までは優勝を意識しないようにと思っていたけど、今年からは自分でつかみにいけたらいいなと思ってプレーしている」。

 今大会でもその覚悟を貫いた。桑木志帆と戦ったプレーオフではティーショットが右のラフにつかまった。相手も左のラフに打ち込んでおり、安全にフェアウエーに刻む選択肢も考えられたが、迷わず7Wを握りグリーン左カラーまで運んだ。

 「打てない所まで行ったと思ったらラッキーなラフにあった。そこからは“勝つ”という思いでプレーした」。結果的にこの一打がパーセーブにつながり勝利を呼び込んだ。

 金沢の優勝を誰よりも喜んでいたのが元世界ランク1位の申(シン)ジエ(韓国)だった。韓国出身プロ金愛淑(キム・エイスク)さんの紹介で知り合い、ここ3年はオフにオーストラリアで一緒に合宿を行い、アドバイスも送っている。

 元世界ランク1位の実力者が口酸っぱく言っているのが体力の重要性だ。申ジエは「4日間、こんなに暑い中で戦い、長いシーズンで体力が落ちないように体の管理をしっかりしてとよく話している。体力が残らないと集中力も残らないので」と説明した。

 師匠の金言を胸に金沢はトレーニングに励んだ。「この3年はやりたいスイングをするための筋力(強化)に取り組んできた」。スクワット、デッドリフトなどバーベルを使い筋肉を鍛えてきた。

 続けてきた努力が実り、今季は失速することが少なくなった。優勝には届かなかったものの5月のSky RKBレディースも、8月のニトリ・レディースも最終日に伸ばして2位に食い込んだ。

 「今までの優勝争いを見ても、最終日に伸ばせなかったり、スタートダッシュはいいけど失速で終わることがほとんどだった。今年は最後まで優勝争いに絡めたり、こうして優勝もできた。体力面はかなり重要だと思う」。金沢の言葉には実感がこもっていた。

 愛弟子がカップを掲げる光景を見届けた申ジエは「合宿では朝暗い時から夜暗くなるまで頑張っている。このメジャー大会で1つの大きな壁を乗り超えた。ライバルになるね。2人でいい勝負したい」と目を細めた。

 攻める意識と失速しない体力。勝ち切る術を身に付けた金沢はこれからもっともっと強くなる。(スポーツ部専門委員)

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