大関獲りへ若隆景「究極の技」磨き上げてほしい

[ 2025年8月6日 06:00 ]

若隆景 
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 【元横綱稀勢の里コラム 二所ノ関寛の寛(くつろ)ぎのひととき】

 今年も7月場所は暑く、過酷でした。猛暑は8月になっても収まることはありませんが、既に秋場所(9月14日初日、東京・両国国技館)に向けた稽古は再開。26日間のロングランとなる夏巡業も始まりました。本場所は年6回。常に好調をキープするため、ひたすら精進あるのみです。

 秋場所は関脇・若隆景の大関獲りに注目が集まります。三役に復帰した夏場所で12勝を挙げ、名古屋場所も10勝。三役で2場所通算22勝となり大関が近づいてきました。名古屋場所は前半に4敗したので、あまり目立ってはいなかったのですが、波に乗ると連勝が続くのがセールスポイント。千秋楽で霧島を破り、2桁に乗せたのは立派でした。

 現役屈指の巧者というイメージがすっかり定着しています。とにかく相手の嫌がるところをついてくる。得意のおっつけだけでなく頭、腰の位置も絶妙です。前傾姿勢を崩さず、しかるべき位置に手があって、体勢がいい。そこは高く評価できます。独特の勝負勘に加え、諦めない姿勢というか土俵際の強さ、粘り。名古屋場所の金峰山戦も粘って粘ってうっちゃりで逆転勝ち。若隆景のような相撲を取りたいと目指す力士もうなずけます。

 3年前(春場所)に初優勝を飾って大関の有力候補に躍り出ましたが、膝の大ケガで幕下に転落。そこからはい上がって再び上位に戻って来ました。夢を現実のものにするには、さらなるステップアップも必要です。個人的には誰もが認める「究極の技」を磨き上げてほしいと思っています。若隆景ならこれだ!と思わせる、得意の形というものでしょうか。今後ライバルとなりそうな安青錦が主張が強いタイプで、前まわしを取るにせよ、積極性を漂わせる取り口が目立ちます。若隆景も左おっつけが入ったら相手が浮き上がってしまうような説得力十分の技を見たいと思っています。

 大関獲りと期待される力士は毎場所のように現れてきても、連続して好結果を出せないことが多いように見受けられます。若手と思っていたら、いつの間にか30歳。年齢的には脂が一番乗ってくる時期でもありますがラストチャンスの気持ちで、すべてをぶつけてもらいたい。インパクトを与えるには飛び抜けた数字もほしい。優勝して上がるんだという気概で臨んでほしいものです。
 (元横綱・稀勢の里)

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