レスリング・元木咲良が金メダル!お父さん、やったよ 涙の大逆転勝利から一夜…攻め続け女子3つ目の金

[ 2024年8月11日 04:39 ]

パリ五輪第16日 レスリング ( 2024年8月10日    シャンドマルス・アリーナ )

<パリ五輪 レスリング>女子62キロ級決勝、金メダルを獲得する元木咲良(撮影・平嶋 理子)
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 女子62キロ級の元木咲良(22=育英大助手)が10日、決勝で21年東京五輪銅メダリストのイリーナ・コリャデンコ(ウクライナ)にテクニカルスペリオリティー勝ちを収め、金メダルを獲得した。シドニー五輪のレスリング代表だった父が立てなかった五輪の表彰台。その一番高い所にたどり着いた。これで今大会の女子レスリングは、藤波、桜井に続き元木で3つ目の金メダルとなった。

 衝撃の五輪秒殺デビュー。準決勝の涙、涙の大逆転。山あり谷ありのパリの闘い。前日の試合後は「神様は2回も助けてくれないと思う。明日はしっかり自分の実力を発揮して、しっかり準備して臨みたいと思います」と涙を拭い誓っていた。

 その誓い通り、気迫みなぎる表情でマットに上がった元木。第1ピリオドは0―1の開始2分30秒からタックルを決め、アンクルホールドからローリングで4―1と逆転。第2ピリオドも3点あるリードを守りに行くのではなく攻めた。先にタックルを仕掛け、得点を重ね続けテクニカルスペリオリティー勝ち。決勝という舞台で全てを出し切り勝利を、金メダルをつかみ取った。

 涙はなかった。勝利の瞬間はマットから天を見上げ顔を手で覆い万感。立ち上がり、ホッとした表情で勝ち名乗りを受けると、笑顔で日の丸を肩に掛けウイニングラン。その最中に感極まった。そして、スタンドの家族や仲間たちに祝福されると、歓喜の涙があふれた。

 スタンドに祈り続けてくれた父に見せた攻め続ける姿。お父さん、やったよ――。

 父・康年さんは00年シドニー五輪のグレコローマン63キロ級代表。父娘五輪出場を果たした元木の、親子悲願のメダル獲得への闘いは、最高の結果となった。

 ◇元木 咲良(もとき・さくら)2002年(平14)2月20日生まれ、埼玉県出身の22歳。埼玉栄高、育英大を経て、今年4月から育英大助手。おむつが取れたころに父も指導する和光クラブで開始。中学校時代まで目立った成績は残せなかったが、高2だった18年の世界カデ選手権で優勝し、頭角を現す。22年の全日本選抜選手権では59キロ級で初の日本一。同年は世界ジュニア選手権を制し、世界選手権でも3位。その後に五輪階級の62キロ級に上げると、23年世界選手権で2位に入り、パリ五輪代表に内定した。家族は00年シドニー五輪男子グレコローマンスタイル63キロ級代表の康年さん、母、妹。

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