イタリアのブロックに屈し敗退…バレー男子は4年後へ向けてどうすべきか 福沢達哉氏が解説

[ 2024年8月7日 04:00 ]

<パリ五輪 バレー男子準々決勝>第5 セット、西田(右)の攻撃が相手のブロックにかかり試合終了(撮影・小海途 良幹)
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 惜敗したバレーボール男子は何が足りなかったのか。そして今後、どの道を進むべきか。元日本代表で大阪ブルテオン・アンバサダーの福沢達哉氏(38)はイタリアのブロックに屈したことが勝敗を分けたと分析。出場12カ国中、最も平均身長の低い日本は今のスタイルを継続しつつ、さらなる質と冷静な状況判断を求めた。

 チームを勢いづける活躍を見せたのはやはり石川だった。10代のころから、世界一の選手になると言い続けてきた彼は、常に自分と向き合い、大きな壁にぶつかるたびに、何が必要かを冷静に分析して成長につなげてきた。1次リーグではなかなか調子が上がらず苦しんでいたが、短期間でしっかり修正し、今大会のベストパフォーマンスでチームをけん引する姿を見て、これまで築き上げてきた経験と覚悟の大きさに改めて感服した。

 サーブレシーブやスパイクレシーブなどの守備を起点に粘り強いバレーで2セット先取した日本に対して、イタリアは第3セット以降、劣勢な場面でもサーブで攻め続け、得意のブロックで止める本数も格段に増えた。押された場面で、相手に得意なプレーを決められると勢いづかせる。これほどまでに1点が遠いと感じた試合はない。

 日本はこの3年間、高さとパワーで押してくる世界の強豪国に対して、レシーブとつなぎの精度を徹底的に磨き、国際大会でメダルを獲得するなど躍進を遂げてきた。確かな手応えと自信を持って挑んだ五輪だったが、世界のサーブとブロックはさらに強力になり、再び立ちはだかった。

 身長や体格で劣る日本が世界で勝つためには、一つ一つのプレーの質を高めるだけでなく、いかなる状況でも冷静に状況判断をして得点につなげていかないといけない。最後の1点を取り切るためには、粘り強く何度もつないでラリーに持ち込み、チーム全員で辛抱強く1点を取るスタイルを安定して発揮し続けることが必要だと強く感じた。

 この悔しさを経験した選手が今後どのような成長を遂げ、日本をどう変えていくのか。いまや世界中のバレーファンを魅了する日本。世界のトレンドを大きく変える日はそう遠くないだろう。バレーは高さとパワーが全てではないことを証明してほしい。 (元日本代表)

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