内島萌夏 4大大会で初勝利 公式戦19連勝の22歳成長株 五輪も視界に

[ 2024年5月30日 04:40 ]

テニス全仏オープン第3日 ( 2024年5月28日    パリ・ローランギャロス )

女子シングルス1回戦でプレーする内島萌夏=パリ(共同)
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 女子シングルス1回戦で、世界ランキング83位の内島萌夏(22=安藤証券)が世界302位のイレネ・ブリリョエスコリウエラ(26=スペイン)に6―1、6―1で快勝した。4大大会は1月の全豪に続く2度目の出場で初白星。わずか1時間で予選勝者同士の対戦を制した。今大会後の6月10日発表の世界ランキングで決まるパリ五輪出場に前進。2回戦は世界2位でベラルーシ出身のアリーナ・サバレンカ(26)と対戦する。

 さらなる飛躍を予感させる圧勝だった。わずか1時間で手にした4大大会初白星。急成長中の内島は相手の5倍近い24本のウイナーを決めた。凡ミスは相手より8本少ない15本。雨の影響でコートが変更されても動じず「ほぼ完璧な内容。ベストを出せば(勝つ)チャンスはあると思っていた」とうなずいた。

 日本人の父とマレーシア人の母を持つ期待の若手。クアラルンプール生まれだが、生後すぐに静岡に移り住んだ。幼い頃に挑戦した水泳やバスケは続かなかったが、10歳で始めたテニスはのめり込み、競技開始から3年足らずで全国小学生4強。16歳で女子国別対抗戦に出場する日本代表の遠征にも同行した。

 プロ転向から5カ月後の19年9月に中国に拠点を移し、中国や米国で指導経験の豊富なアラン・マー・コーチに師事。世界100位以内に数多くの選手を輩出した名伯楽の下で、グリップの握り方から見直して成長した。

 今月にツアー下部大会で3週連続優勝を飾り、初めてトップ100入り。現在83位の世界ランキングは日本女子トップだ。ポイントの大きい4大大会で白星を挙げ、パリ五輪出場も視界に入るが「今まで五輪に出られる位置から遠かったので、あまり頭になかった」と過剰な意識はない。

 2回戦は世界2位で全豪オープン2連覇中のサバレンカと対戦。世界トップ10とは初対戦で「失うものはない。どれだけ通用するのか楽しみ」と力を込めた。公式戦19連勝中の勢いに乗り、ビッグサプライズを狙う。

 ◇内島 萌夏(うちじま・もゆか)2001年(平13)8月11日生まれ、マレーシア・クアラルンプール出身の22歳。日本人の父、マレーシア人の母を持つ。10歳からテニスを始め、18年4月に16歳で女子国別対抗戦の日本代表のサポートメンバーに選ばれた。19年4月に17歳でプロ転向。今年1月の全豪オープンで4大大会初出場した。ツアー通算218勝135敗。右利き。1メートル74。

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