断食ダイエットのやり方。16時間、週1、5日間…ファスティングで胃腸を休めるメリットとは[薬剤師監修]

[ 2024年5月30日 09:00 ]

最近、おなか周りの肉が気になる。
体型だけでなく体質も変えたい。

そんな悩みにおすすめのダイエット方法として、「断食ダイエット(ファスティング)」があります。

断食というと怖いイメージを持つ方も多いかもしれませんが、16時間・週1(月曜断食)・5日など、負担が少なく、気軽に始めやすい短期間の断食もあります。

本記事では、断食ダイエットの基礎知識や、具体的なやり方や成功へ導くコツ、デメリットなどをご紹介します。

解説は、薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師の碇純子さんです。

断食ダイエット(ファスティング)とは

断食ダイエット(ファスティング)とは、「一定期間、ものを口にしないダイエット方法」のことです。

減量だけでなく、胃腸を休ませることによるさまざまなメリットや、むくみの改善などが期待できるとされています。

ごく短い期間、酵素ドリンクのみで過ごす

宗教的行為の断食とは異なり、ごく短い期間、固形物のみNGにして、代わりに酵素ドリンクや野菜ジュース飲む方法が一般的です。

近年は、個人で行う断食ダイエットのほかに、合宿のような形で集中的に断食を行う「断食道場」も行われています。

断食ダイエットのやり方。16時間、週1、5日間…

ここからは、断食ダイエットのやり方を3つ解説します。

手軽にできる「16時間断食ダイエット」

「16時間断食」は、24時間のうち16時間は断食を行い、残りの8時間は自由に飲食できるというもので、プチ断食とも呼ばれます。

この16時間には睡眠時間も含まれるため、食事を我慢する負担が少ないうえ、残りの8時間は何を食べてもいいという自由度の高さがメリットです。

やり方
1日のうち、睡眠時間を含めて16時間断食を行う

断食の16時間は、1日のどの時間帯を選んでも構いません。たとえば、夕方16時~翌朝8時でも、夜20時~翌日の12時でも大丈夫です。

失敗しにくい「週1断食ダイエット」

「週1断食」は、1週間の決まった曜日に断食を行う断食ダイエットです。週1断食が広まるきっかけになった「月曜断食」は、SNSを中心に話題になりました。

やり方

  • 不食日
    1週間のうちの1日を水だけで過ごす
  • 良食日
    その後の4日間は、朝にヨーグルト、昼に肉・魚・野菜、夜に野菜を食べる
  • 美食日
    その後の2日間は何でも食べていい

もし不食日に食事をしてしまった場合や、良食日、美食日に食べすぎてしまった場合でも、翌日の夕食を抜いて調整できるので、失敗しにくいダイエットといえるでしょう。

期間の長い「5日間断食ダイエット」

「5日間断食」は、1週間の準備期、5日間の断食期、断食後の回復期を設けて行う断食ダイエットです。

やり方

  • 準備期
    動物性たんぱく質や油もの、スイーツ、アルコール、カフェイン、たばこなどを避ける
    食物繊維が豊富な食材や発酵食品などを中心に摂取する
  • 断食中
    水で薄めた酵素ドリンクなどで最低限の糖質や栄養素を摂取する
  • 回復期
    準備期と同様に、動物性たんぱく質などを避け、固形物の摂取は回復期の2日目以降に行う
  • 断食は「回復食」が成功の鍵を握る

断食ダイエットは、断食期間だけでなく、断食後の回復食がとても大事です。

いきなりもとの食事に戻すのではなく、なるべく消化によく、胃の負担が少ないものを中心に摂取しましょう。

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断食ダイエットで期待できる4つの効果

断食ダイエットには腸内環境を整える働きがあり、その結果、さまざまな効果が期待できます。

胃腸を休め、働きを活発化させる

断食ダイエットにより、一定期間、胃腸に食物が入っていない時間を作ることで、酷使しがちな胃腸を休ませることができます。

その結果、胃腸は消化吸収の代わりに胃腸の細胞を修復することに注力し、本来の健康な状態の胃に戻ろうとします。

そして、胃腸の働きがよくなることで、体内に溜まっていた老廃物などを排泄する効果が高まるとしています。

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余分な水分や塩分の排出による、むくみの改善

断食ダイエットで効果を期待できるのが、むくみの改善です。

腸内環境が整うと、体の不要な水分や塩分などが体外に排出されやすくなり、むくみ解消が期待できます。

免疫細胞の活発化による、免疫機能の活性化

断食ダイエットを行い、腸をしっかり休ませることで、免疫機能の活性化が期待できます。

体の免疫細胞の7割は腸内に存在しており、腸内環境を整えると免疫細胞の働きを活性化させることにつながります。

肌の新陳代謝の促進による、肌荒れの改善

乱れた食生活で腸内環境が悪化すると、悪玉菌が出す有害物質が血液によって運ばれ、肌荒れの原因になります。

断食ダイエットによって腸内環境が整うと、全身に必要な栄養が行き渡り、肌のターンオーバーが促進されるため、肌荒れの改善が期待できます。

断食ダイエットの効果を上げるコツ

断食ダイエットの効果を高める3つのポイントを解説します。

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断食の時間は徐々に伸ばす

いきなり数日断食を行うなど、無理のある計画は失敗しやすく、体に負担がかかる恐れがあります。

たとえば16時間断食の場合、最初は12時間に設定し、慣れてきたら14時間、そのあとは16時間と、段階的に時間を伸ばしていきましょう。

負担を感じたらすぐに計画を見直し、強引に進めないことが大事です。

適度に有酸素運動を行うことで脂肪燃焼を促進する

断食ダイエットとともに、適度な運動も行いましょう。

筋肉トレーニングのようなハードな運動ではなく、ウォーキングやジョギングのような有酸素運動がおすすめです。

有酸素運動を行えば脂肪燃焼の効果も高まるので、より痩せやすくなります。

こまめに水分補給をする

断食ダイエットは、一切ものを口にしないダイエットではありません。期間中は、水分補給をこまめに行いましょう。

一般的な食事量の場合、約1リットルもの水分を食事から摂取しています。断食ダイエットでは固形物を摂取しなくなるので、そのぶん摂取水分量も不足しがちです。

水分は老廃物の排出を促すためにも必要なため、きちんと水分補給をするようにしましょう。

水分補給でおすすめの飲み物は?スポーツドリンク以外ならコレ|マッスルデリ管理栄養士が解説

断食ダイエット中に飲んでOKな飲み物は?

断食ダイエット中は、水や白湯を積極的に飲みましょう。

麦茶にコーン茶、ルイボスティーなどのノンカフェインのお茶や、生の野菜・果物を使用したスムージー、酵素ドリンクもおすすめです。

飲み物を工夫することで、断食期を楽しく乗り切れます。

牛乳、清涼飲料水、ジュース、アルコールはNG

逆に、牛乳、清涼飲料水、ジュース、アルコールは控えましょう。とくに、空腹時に飲むとアルコールの吸収が早くなります。

清涼飲料水やジュースなどの糖分が多く含まれる飲み物も血糖値スパイクの原因となるため注意しましょう。

断食ダイエットで考えられるデメリット。こんな症状が出たら危険!

断食ダイエットを行うと、人によっては下記のような状態に陥ることがあります。

めまいや倦怠感など、体に不調が現れる

断食ダイエットで摂取カロリーが減少することにより、めまいや倦怠感、吐き気、下痢などが現れる場合があります。

体調が優れないと感じたときは、すぐに断食ダイエットを中止し、不安な場合は医師の診察を受けてください。

空腹によるストレスを感じやすくなる

断食ダイエットの最中は、慣れるまで空腹によるストレスを感じることがあります。

もともとストレスを抱えている方やメンタルが不安定な方は、断食ダイエットで体調不良になることもあるので注意が必要です。

血糖値スパイクが起こりやすくなる

食後の血糖値が急上昇、急下降するのが「血糖値スパイク」です。

断食ダイエット明け、いきなり高血糖なものを摂取すると、血糖値スパイクが起こりやすくなります。

断食ダイエット後は高血糖なものは避け、生野菜や炭水化物、たんぱく質を多く含む食材を中心に摂取しましょう。

ダイエット後に暴飲暴食しやすく、リバウンドの恐れがある

断食ダイエットの失敗パターンとして多いのが、断食期から通常食に戻った途端、暴飲暴食してしまうこと。

きちんと準備期、回復期を設けて、断食期間以外も食事をコントロールすることが大事です。

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断食ダイエットをしないほうがいい人の特徴

基礎疾患のある方、妊娠中・授乳期の方、生理中の方、10代の成長期の方はリスクがあるため、断食ダイエットはおすすめできません。

また、高齢者も断食ダイエットには向いていません。

上記に該当しなくても、断食ダイエットに対して不安があるという場合は、医師やファスティングカウンセラーなどの専門家に相談しましょう。

断食ダイエットで胃腸を休め、ダイエットをサポートしよう

断食ダイエットは普段働きすぎている胃腸を休めて回復に専念させることで、腸内環境を正常に戻し、老廃物の排出を促します。

その結果、むくみの改善、免疫機能の活性化、肌荒れの改善など、さまざまなメリットが期待できます。

まずは無理のない範囲で断食ダイエットに挑戦して、理想の体を目指しましょう。

監修・執筆者プロフィール

あんしん漢方薬剤師
碇 純子

ikari薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)

神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。

世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

参考
Cell Stem Cell 「Prolonged Fasting Reduces IGF-1/PKA to Promote Hematopoietic-Stem-Cell-Based Regeneration and Reverse Immunosuppression」

<Edit:編集部>

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