林享氏 渡辺は前半のスピード生かした勇気あるレースを貫いたことが勝因

[ 2024年3月22日 05:15 ]

競泳パリ五輪代表選考会 ( 2024年3月21日    東京アクアティクスセンター )

男子200メートル平泳ぎ決勝で力泳する渡辺一平(撮影・西尾 大助)
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 【林享の目】渡辺は勇気を持って前半から積極的なレースができたことが勝因だろう。日本の男子200メートル平泳ぎは後半型の選手が多い。その中で渡辺は前半のスピードがあるタイプだが、これまで追い込みに強さを発揮する花車や深沢に逆転されるレースがいくつもあった。

 後ろにつかれる怖さはあっただろうが、スタート直後から先頭に立ってレースを引っ張った。150メートルまでは7年前の自己ベストを上回るペースで泳ぎ、世界を見据えた自分のレースを貫いたことが好タイムと1位という結果につながった。

 花車もいつも以上に前半から渡辺についていき、大幅な自己ベストにつなげた。一方で深沢はラスト50メートルで本来の力を出し切れなかった。前を行く2人が思っていた以上に速く、必要以上に力を使ってしまったり、気持ちが空回りしたところがあったかもしれない。

 五輪の金メダル争いは2分5秒台が予想される。渡辺はラスト50メートルのラップをさらに上げる力がつけば、5秒台も見えてくる。(92年バルセロナ五輪100メートル平泳ぎ4位、東海学園大監督)

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