熱海富士が決定戦制して十両優勝!「良い感じで帰れる」幕内復帰決め、30日の沼津巡業で地元凱旋へ

[ 2023年7月24日 06:34 ]

大相撲名古屋場所千秋楽 ( 2023年7月23日    愛知・ドルフィンズアリーナ )

<大相撲名古屋場所千秋楽>十両優勝を決め、名古屋市長杯を受け取る熱海富士(撮影・椎名 航)
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 千秋楽を迎えた時点で、最大7人による決定戦の可能性もあった混戦の十両優勝争い。4敗で首位だった熱海富士(20=伊勢ケ浜部屋)、(30=追手風部屋)、友風(28=二所ノ関部屋)の3人の中で熱海富士と大奄美が本割をそれぞれ制して決定戦に進んだ。

 決定戦、熱海富士は得意の右四つに組み合うも上手が取れず。そこから頭をつけにいくと、相手が引いてきたところを一気に前に出て土俵下まで押し倒した。勝負が決まった瞬間、さがりを勢いよく引き抜いて気合を込め、喜びを表した。

 「すっごい緊張しました。優勝できると思ってなかったので、うれしいです」。表彰式を終え、いつもの笑顔がはじけた。14日目は勝てば単独首位となる一番で大奄美に黒星。9勝、10勝と星を重ねて幕内復帰が確実となったことで「少し気が抜けていた」という。これまでは優勝を意識せず自然体で臨んでいたが「意識しないのはダメだと思った。(今日は)優勝したかった」と強い気持ちで自身初の十両優勝を勝ち取った。

 来場所は5場所ぶりの再入幕となる。「新入幕の時はボロボロだったので、今度は勝ちたい」。4勝11敗に終わった昨年九州場所の雪辱を誓った。

 今場所の新入幕3人(伯桜鵬、豪ノ山、湘南乃海)はそろって三賞を獲得。新入幕3人全員三賞は史上初のことだった。先場所、その3人と優勝争いを繰り広げていた熱海富士にとっては大きな刺激に。特に1学年下の伯桜鵬については「先場所番付が(ともに8枚目の)東西だったので、1場所たって(幕内で優勝争いをして)すごいですね」と感心しながら、少し悔しさもにじませた。

 今月30日には、母校・飛龍高の所在地であり地元・熱海からも近い静岡県沼津市で夏巡業が開催される。参加予定の熱海富士は「少しでも良い感じで帰れる」と、十両優勝を手土産に地元へ凱旋できることを楽しみにした。

 ◇熱海富士 朔太郎(あたみふじ・さくたろう)本名=武井朔太郎。2002年(平14)9月3日生まれ、静岡県熱海市出身の20歳。三島相撲クラブで小6から相撲を始め、熱海中3年時に全中8強。飛龍高2年時に国体団体戦4位、個人戦32強。伊勢ケ浜部屋に入門し、20年九州場所で初土俵。21年初場所で序ノ口優勝。春場所で序二段優勝。夏場所途中まで、デビューから20連勝を記録。22年春場所で新十両。同年九州場所、高卒では最速タイとなる所要12場所で新入幕。1メートル85、176キロ。

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