再十両・友風 3年ぶり白まわしに感慨「ひとまず安心」右足切断寸前の大ケガから劇的復活

[ 2023年2月28日 20:17 ]

幕下の花房(右)と申し合い稽古を行う友風(撮影・前川 晋作)
Photo By スポニチ

 大相撲春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)で3年ぶりに関取に復帰した再十両・友風(28)が28日、所属する茨城県阿見町の二所ノ関部屋で稽古を行った。

 四股や鉄砲などの基礎運動を入念に行ってから申し合いに参加。三段目・和氣の里(29)と幕下・花房(19)を相手に計7番取って4勝3敗だった。古傷の右膝は「大丈夫ですよ」と不安なしを強調した。

 番付発表から一夜明けたこの日、友風は3年3カ月ぶりに関取の象徴である白まわしを巻いた。「感慨深いものがあります」としみじみ。この3年間は「自分のためにもなりましたけど、つらい日々だったと思います」と振り返った。幕内上位で活躍していた19年九州場所で右膝関節脱臼、前十字靱帯断裂、後十字靱帯断裂などの大ケガを負った。血管も切れていれば足を切断せざるを得ない状況だったほどの重傷。治療期間未定で復帰のめどは立たず、歩けるようになるまで半年、稽古場に降りるまでは1年以上もかかった。4度の手術を経て21年春場所で序二段から復帰。2年かけて徐々に番付を上げ、ついに関取の座を再びつかんだ。

 「うれしいというよりかは、ひとまず安心ですね。やっとスタートポジションに立てたかな」。十両復帰の喜びよりも、ケガする前にいた幕内上位へ早く戻りたいという思いの方が強かった。「(十両では)年下もたくさん活躍されているので負けたくない気持ちもある」と幕内経験者としてのプライドを少しのぞかせながらも「自分はケガして弱くなった身なので、そう考えたらチャレンジャーかな。いくつになってもチャレンジャーでいたいですよ」と改めて気を引き締めた。

 「15日間相撲取れるのは幸せなこと。楽しみです」と、3年4カ月ぶりに関取として迎える春場所を待ち望んだ。相撲史上最悪と言われた大ケガから劇的な復活を遂げた28歳は、再起を支えてくれた多くの人たちへの感謝の思いを胸に、十両の土俵に上がる。

続きを表示

2023年2月28日のニュース