宮城野親方が小さく見える…北青鵬 新入幕最長身の2メートル4「将来的には横綱目指す」

[ 2023年2月28日 05:10 ]

番付表を手にする北青鵬(左)と師匠の宮城野親方
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 日本相撲協会は27日、春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表し、身長2メートル4の北青鵬(21=宮城野部屋)が新入幕となった。日本相撲協会が十両以上の公式計測を始めた1953年秋場所以降の新入幕では、元横綱・曙と元大関・琴欧洲(現鳴戸親方)に並ぶ最長身。師匠の宮城野親方(元横綱・白鵬)同席の下、東京・両国国技館内で会見を行い、将来の目標に横綱を掲げた。

 “規格外”の新入幕力士が誕生した。北青鵬は今月上旬に行われた身体測定で2メートル4を記録。昨年12月に行われた前回の測定から一気に4センチも伸びた。新入幕では元横綱・曙、元大関・琴欧洲に並ぶ最長身力士。会見に同席した師匠の宮城野親方も1メートル92と大柄だが、隣に並ぶと小さく見えてしまうほどのスケール感だった。

 得意は、その巨体を生かした力強い四つ相撲。「右でも左でも、特に右の上手を取れれば自信あります」。時には肩越しの上手一本で強引に振り回すこともある。師匠からは「組んで良し、離れて良しもいいのかな。しっかり見て突いていけば相撲の幅も広がる」と四つだけでなく突き押し相撲の可能性も見いだされた。

 昨年8月に宮城野部屋は、旧東関部屋が使用していた建物に移転した。かつて同部屋所属だった曙と同じ場所で稽古し、突き押しを覚えるために曙の映像を見て研究しているという。「曙関が寝ていた部屋(個室)で今、僕が寝ています」。偶然か必然か、くしくも全く同じ身長2メートル4に“成長”した。

 会見では「こうして師匠と一緒に会見できる日が来たことを凄くうれしく思います」としみじみ話した。モンゴル生まれ札幌育ちで、6歳の頃、当時の横綱・白鵬に声をかけられたことがきっかけで相撲を始めた少年は、尊敬する大横綱の部屋継承後初の新入幕力士に。「人の縁って不思議」という師匠の言葉通り、師弟ともども感慨深い思いだった。

 「まず勝ち越して2桁勝って三賞を獲れるように頑張ります。今年中に三役に上がりたい。将来的には横綱」と堂々と目標を掲げた。「もう止まってほしいけれど、伸びているものはどうしようもない」と伸び続ける身長とともに、どこまで番付を上げていくのか。“規格外”の成長は計り知れない。

 ▽長身力士 日本相撲協会は1953年秋場所前から十両以上の身長、体重を公式に計測している。同年以降の新入幕では曙、琴欧洲(当時の琴欧州)、北青鵬が2メートル4で最長身。琴欧洲はその後2メートル2に低くなった。公式計測以前は不動岩(最高位関脇)が2メートル12で昭和以降の最長身。出羽ケ嶽(最高位関脇)は2メートル6、大内山(最高位大関)は2メートル2だった。また1983年には東京・富岡八幡宮の境内に「巨人力士身長碑」が建立され、江戸時代の生月鯨太左衛門(7尺6寸=約2メートル30.3)らが刻まれている。今場所の幕内平均身長は1メートル84.6。

 【北青鵬 治】
☆本名 アリューナー・ダワーニンジ
☆サイズ 2メートル4、177キロ
☆生年月日 2001年(平13)11月12日モンゴル生まれ、札幌市育ちの21歳
☆来日 幼少期はモンゴルで過ごし、母の語学留学に伴って5歳で来日
☆相撲歴 小学1年から札幌相撲スポーツ少年団で始める。中学から鳥取へ相撲留学。鳥取城北高3年時に全国高校金沢大会2位
☆宮城野親方との縁 6歳の頃、韓国の空港で当時の横綱・白鵬と偶然出会ったことがきっかけで相撲を始めた。中3の頃、札幌へ逃げ帰ってしまったが、札幌巡業に訪れた白鵬に説得されて鳥取へ戻った
☆初土俵 20年春場所
☆連勝記録 序ノ口デビューから21連勝。高卒では歴代1位の記録を樹立
☆新十両 21年秋場所
☆得意技 四つ相撲。右でも左でも上手を取れば力を発揮
☆愛称 「ニンジ」。本名のダワーニンジの「にんじ」は義理人情から

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