【羽生結弦さん GIFTalk(1)】「一期一会な演技ができた」「一人になった時に帰れる場所を」

[ 2023年2月26日 21:52 ]

東京ドームでの「GIFT」で演技する羽生結弦さん(C)2023 GIFT Official
Photo By 提供写真

 フィギュアスケート男子で昨夏プロ転向した羽生結弦さん(28)が26日、スケーターとして史上初となる東京ドームでの単独公演「GIFT」を開催した。チケットは完売で、国内外でライブ配信された注目のショーを完遂。公演後は取材に応じた。

 【羽生結弦 GIFTalk(1)】

 ――公演を終えて
 「ほんと大変なことだらけでしたけど、まずはドーム公演ということよりも、一人でこの長さのスケートのエンターテインメントというものを作るということが非常に大変なことで。今シーズン初めてまず、単独で完全にプログラムを単独でワンマンで滑りきるというショーをやってみて。これ、2時間半持つかなって正直思ったんですけど、でも、ドームという会場だからこそできる演出と、MIKIKO先生やライゾマティクスさんや、本当に東京フィルさんだったりとか名だたるメンバーが集まってくれたからこそできた総合エンターテインメントが作れたのではないかなと今は実感しております」

 ――新しい表現の可能性の手応えは
 「正直、課題も、もちろん出ていますし。もっとこうすれば良かったなとか、もっとこうできたなみたいなのももちろんあるんですけれども。ただ、今日このGIFTという公演に関しては1回きりで、ほんとにフィギュアスケートならではの一期一会な演技が1つずつできたということに関しては自分自身、すごく誇りに思っていますし、少しでもみなさんの中でほんの1つのピースでもいいので記憶に残ってくださったらうれしいなと思います」

 ――一人で観客に届けたかったこと
 「もちろん自分自身が今までの人生の経験の中で、一人ということを幾度も経験してきましたし、実際に感じることもいまだにありますし。それは僕の人生の中で常につきまとうものかもしれないです。ただ、それは僕だけじゃなくて、大なり小なりみなさんの中に存在しているもので。もちろん、僕の半生を描いたような物語でもありつつ、でも、みなさんにとってもきっとこういう経験あるんじゃないかなってつづった物語たちです。少しでもみなさんの一人という心に贈り物をというか。一人になった時に帰れる場所を提供できたらいいなと思ってGIFTを作りました」

 ――ロンカプで因縁の4回転サルコーも
 「北京オリンピックでやりきれなかったという思いが強くあったプログラムです。あのプログラムには夢をつかみきるという物語が自分の中にはあります。このGIFTってストーリーの中にも夢という存在がものすごく大きくあって。なんか、そういう意味でも、まず前半の一幕の中で夢をつかみきったっていう演出をしたかったというのが、ロンドカプリチオーソを選んだ理由です。ただ、北京オリンピックを連想させるような演出をした上でロンカプをやったのは、あの時に夢をつかみきれなかったからであって。あの時、夢をつかみきれなかったものを今はつかみ取るんだ、とか。逆にまだまだつかみきれていない夢も、もちろん4回転半だったりとかありますけど、それに向けてこれからも突き進むんだみたいなイメージを込めて滑らせていただきました」   =(2)に続く=

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2023年2月26日のニュース