【二所ノ関親方 真眼】思い切りの良さ際立った王鵬

[ 2022年11月25日 05:05 ]

大相撲九州場所   第12日 ( 2022年11月24日    福岡国際センター )

豊昇龍(左)をはたき込みで破る王鵬(撮影・岡田丈靖)
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 豊昇龍は調子の良さがうかがえる立ち合いで、しっかり踏み込んでいました。しかし王鵬の立ち合いに「重み」があったからこそ、前に出なきゃという意識が強すぎました。王鵬は、やると決めた時の思い切りの良さと絶妙な体の開きが際立っていました。優勝争いを面白くする大事な勝利を手にしました。

 私も初めて上位で戦った05年九州場所(東前頭5枚目)のことをよく覚えています。幕内の後半戦となると雰囲気、緊張感がまるで違いました。これまで前半戦だった王鵬には未知の世界でしたが、冷静に相撲を取れたのは成長の証です。相手の当たりを受け止め、反応も早かった。しっかり体圧を伝えたからこその勝利でした。

 優勝戦線に踏みとどまり、残り3日。王鵬はきょう13日目も高安との大一番です。強烈なかちあげに対し、頭を下げてしっかりと圧力をかけることができるか。先手を奪うことが勝利への近道。立ち合いに注目です。(元横綱・稀勢の里)

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2022年11月25日のニュース