サーフィン五十嵐カノアの父・勉氏がトークショー 匠の技術を取り入れたボード制作プランも披露

[ 2022年11月1日 18:54 ]

オッシュマンズ原宿でトークショーを行った五十嵐勉氏(右)とマルシオ・ゾウビ氏
Photo By スポニチ

 サーフィンの東京五輪銀メダリストで、今年9月のワールドゲームズ(WG=世界選手権に相当)で日本人初優勝を果たした五十嵐カノア(木下グループ)の父・勉氏が1日、東京都渋谷区の「オッシュマンズ原宿」でトークショーを行った。勉氏はこのほど、五十嵐も18年から使用する米国のサーフボード製造会社「シャープアイ」の日本法人代表に就任。同社の創業者でシェイパー(制作職人)を務めるマルシオ・ゾウビ氏と共に、今後の事業展開などについてプランを披露した。

 以前は別メーカーのボードを使っていた五十嵐が、シャープアイ製を初めて使用したのが18年7月に南アフリカで開催されたプロ最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)「コロナオープン」だったという。出発前、6本入るボードケースに1本分の余裕があったため、新品のシャープアイ製を滑り込ませた。大会は順調に勝ち上がったが、上位進出を懸けたヒートでこれを使用。するとエクセレントスコア(8点以上)を連発し、以後は正式に契約。翌19年のCT初勝利や東京五輪、WG優勝の快挙も、全ての同社製のボードで成し遂げた。

 勉氏は「ボードのエッジをチェックしたり、細かい仕上げまで目を通してくれる。トータルクオリティコントロールが凄い」と絶賛。ゾウビ氏が常に選手とコミュニケーションを図り、メンテナンスや次シーズンに向けた開発にも直接携わっているという。今季のCTでは全11大会中、8大会で現地に赴き五十嵐や他の契約ライダーとコミュニケーションを図ったというゾウビ氏も、「選手は微妙はボードの変化を感じる。厳しい目でチェックしているので、選手も信頼を寄せてくれるのだと思う」と語った。

 勉氏はあす2日以降はボード製造会社などを回り、日本の製造技術などをゾウビ氏に視察してもらう予定。勉氏は「日本には(工具の)かんななど、匠の技術がある。日本の匠の技と彼の技術が融合し、いいボードができないかなと思う。いつかは日本で作ったボードを彼の手で仕上げて、世界に送り出したい」と今後のプランを披露した。

続きを表示

2022年11月1日のニュース