国体相撲 新潟県が史上初の5連覇 中村泰輝「お世話になった先輩たち」へ恩返し 成年の部団体戦

[ 2022年10月3日 17:53 ]

成年の部団体戦で5連覇を達成した新潟県。(左から)福原忠之監督、先鋒・村山大洋、中堅・中村泰輝、大将・三輪隼斗(撮影・前川 晋作)
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 第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」相撲競技の最終日が3日、栃木県大田原市の県北体育館で行われた。昨年予定されていた三重国体、一昨年の鹿児島国体はいずれも新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になっており、国体の開催は3年ぶり。

 成年の部の団体戦は、新潟県が大会史上初となる5連覇を達成した。3年前の前回大会と同じ3人で同じオーダー。昨年のアマチュア横綱で今年のワールドゲームズ無差別級金メダリストの中村泰輝(日体大4年)が中堅を務め、全試合を通して圧倒的な強さを見せて全勝。先鋒の村山大洋(30)と大将の三輪隼斗(27)は優勝した5大会全てに出場しており、ベテランの強さも健在だった。

 準々決勝は優勝候補の鳥取県と対戦。先鋒戦は村山が今年の実業団横綱の落合哲也(19)に敗れたが、中堅・中村が元アマチュア横綱の西郷智博(30)を破って1勝1敗とし、大将・三輪が元学生横綱の中島望(26)を下手投げで破った。決勝は長崎県と対戦。ここでも1―1の大将戦となり、三輪が高橋修(33)を左差し速攻で破り、歓喜の瞬間を迎えた。かつて世界選手権の団体戦でも勝負強さを発揮して“日本の守護神”と呼ばれた三輪が新潟県の不動の大将として今年も強さとうまさを見せた。

 村山、中村、三輪の3人は能生中、海洋高、日体大と同じ道を歩んだ。中堅の中村は大学卒業後のプロ入りを明言しており、今年が最後の国体。「強い先輩たちと組める最後の試合なので」と団体戦に懸ける思いは強かった。「自分が中学高校の時の先生、コーチだった。お世話になった先輩たちと一緒にチームを組めて一緒に優勝できたことがうれしい」と喜んだ。「(村山)大洋先輩がもう年なので(笑)、今年は厳しい戦いになるかと思っていたけど、思いのほか勝ってくれたので助かった」と冗談交じりに感謝。勝負強い大将の三輪に対しては「心強いですね。自分は三輪先輩につなげる気持ちで」と全幅の信頼を置いた上で自分の相撲を取りきった。

 「新潟県に恩返しするという思いで頑張りました」と感慨を込めた。生まれは石川県津幡町。中学から高校までの6年間を新潟県糸魚川市の寮で過ごした。「自分が強くなった地」と第二の故郷への思い入れは強く、12歳の時に親元を離れて相撲留学すると下した決断を「間違いじゃなかった」としみじみ振り返った。


 ▽団体戦 準々決勝
埼玉 3―0 熊本
長崎 3―0 和歌山
福岡 3―0 石川
新潟 2―1 鳥取
 ▽ 準決勝
長崎 2―1 埼玉
新潟 2―1 福岡
 ▽3位決定戦
埼玉 2―1 福岡
 ▽決勝
新潟 2―1 長崎
 村山大洋 突き出し 松園大成○
○中村泰輝 押し出し 田中達也 
○三輪隼斗 寄り切り 高橋修 

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2022年10月3日のニュース