鳥取城北が連覇 松井奏凪人が大将戦で劇的勝利 埼玉栄・高山に個人戦決勝の雪辱

[ 2022年7月29日 06:17 ]

団体優勝の鳥取城北。監督、コーチや北青鵬(後列右から4人目)らOBも入り、2連覇を表すVサインで記念撮影
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 第100回全国高等学校相撲選手権大会(全国高等学校総合体育大会相撲競技)の最終日が28日、高知県立県民体育館で行われ、団体戦は鳥取城北が2年連続5度目の優勝を果たした。

 手に汗握る劇的な展開を制した。決勝の相手は宿敵・埼玉栄。先鋒のソソルフー(3年)が張り差し速攻の寄り倒しで先制すると、二陣の河本優聖(3年)が敗れてタイに。中堅の成田力道(3年=主将)が埼玉栄・小林嵐(3年)の右上手投げに屈して王手をかけられると、副将の成松祐乃介が気迫の相撲で取り返して2―2の大将戦に持ち込んだ。

 団体優勝が決まる大将戦の顔合わせはは鳥取城北・松井奏凪人(かなと=3年)VS埼玉栄・高山瞬佑(3年)。この日、個人戦決勝で高校横綱を懸けて戦った2人の再戦だ。「とにかく前に出ることを意識した」と松井が鋭く踏み込んで下から押して一気に前に出て押し倒し。個人戦の雪辱を果たし、鳥取城北の団体2連覇を決めた。「任せろという感じでした。立ち合いは完璧でした」と、プレッシャーのかかる局面で見せた最高の相撲を振り返った。鳥取城北高相撲部総監督の石浦外喜義校長(61)は「最後ああいう相撲取れるのはたいしたもんだ」と絶賛。顧問の谷本将也教諭(26)は「主将が負けた中でもみんなで力を合わせて取れたのは価値がある。先生方と選手が一つになれたことが一番大きい」とチームワークを称えた。

 今大会のヒーローとなった松井は、高校入学時の体重は70キロ弱だったが2年半で50キロ近く増やした。稽古量は相撲部随一で、同校相撲部の部訓である「嘘のない稽古」を体現。中学時代までは目立った実績がなかったが全国トップレベルの選手に成長した。「本気で強くなりたいという気持ちが一番」。積み重ねた努力が実を結んだ。

 準優勝の埼玉栄は決勝トーナメント1回戦から準決勝までの4試合を全て5―0で勝ち上がって強さを発揮。個人戦優勝の高山や、甲山親方(元幕内・大碇)の長男・齋藤成剛(3年)ら前に出る力強い相撲が目立った。

 足立新田(東京)は5年ぶりの3位入賞。二陣の小宮山翔海(3年)が埼玉栄の齋藤に善戦するなど動きの良い相撲で魅せた。箕島(和歌山)は2年連続の3位。二陣の野田典雅(2年)や副将の小兵・村山謙(3年)が持ち味を発揮した。

 3月の全国選抜大会で優勝した飛龍(静岡)は準々決勝で鳥取城北に敗退。二陣の菅原悠翔(3年)と中堅の桑原哲平(3年)が勝って2―1で追い詰めたが一歩及ばなかった。

 ▽団体戦 準々決勝
鳥取城北 3―2 飛龍(静岡)
箕島(和歌山) 4―1 文徳(熊本)
足立新田(東京) 3―2 黒羽(栃木)
埼玉栄 5―0 宇和島東(愛媛)

 ▽準決勝
鳥取城北 4―1 箕島
埼玉栄 5―0 足立新田

 ▽決勝
鳥取城北 3―2 埼玉栄
○ソソルフー 寄り倒し 田崎正美 
 河本優聖 肩透かし 齋藤成剛○
 成田力道 上手投げ 小林嵐○
○成松祐乃介 押し倒し 岡野颯良 
○松井奏凪人 押し倒し 高山瞬佑

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2022年7月29日のニュース