高校横綱は高山瞬佑 埼玉栄高相撲部の教え「感謝の気持ちと思いやり」を胸に

[ 2022年7月29日 05:30 ]

高校横綱に輝いた埼玉栄の高山瞬佑
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 第100回全国高等学校相撲選手権大会(全国高等学校総合体育大会相撲競技)の最終日が28日、高知県立県民体育館で行われ、高山瞬佑(埼玉栄3年)が高校横綱に輝いた。前日までに予選が行われた個人戦の優秀32選手決勝トーナメントがこの日、朝8時30分に開始された。

 高山は優勝候補の実力者を次々に倒して勝ち進んだ。準々決勝で、昨年3位のソソルフー(鳥取城北3年)を引き落としで撃破。準決勝では今年の全国高校金沢大会覇者の篠侑磨(金沢学院大附属3年)を押し出した。決勝の相手は、速い攻めとうまさを武器に勝ち上がってきた松井奏凪人(鳥取城北3年)。突き押しで相手を中に入れさせず、前に出ながらの左すくい投げで勝負を決めた。

 滋賀県近江八幡市出身で中学3年時に全国都道府県大会で準優勝の経験がある。これまでに全国制覇の経験はなく「高校3年の最後の大会で初めて優勝できて本当うれしいです」と笑顔を見せた。埼玉栄高からは18年の斉藤大輔(現十両・北の若)以来4年ぶり6人目の高校横綱。将来はプロ入りを目指しており、憧れの力士は同校OBで同じ突き押しを得意とする大栄翔(28=追手風部屋)。

 高山は今月、行方不明になっていた小学生男児を保護したとして、他の部員3人とともに埼玉県警大宮西署から感謝状を贈られていた。相撲を通して「人間性が成長できた」という。山田道紀監督の教えで、部訓でもある「感謝の気持ちと思いやり」を体現した行動だった。日頃の良い行いと努力の積み重ねが、高校横綱という最高の栄誉をもたらした。

 ▽個人戦 準々決勝
篠侑磨(石川・金沢学院大附属) 押し出し 奥田史祐(高知・明徳義塾)
高山瞬佑(埼玉栄) 引き落とし ソソルフー(鳥取城北)
松井奏凪人(鳥取城北) 上手出し投げ 長村晃宏(静岡・飛龍)
篠崎颯太(茨城・東洋大牛久) 突き落とし 成田力道(鳥取城北)

 ▽準決勝
高山瞬佑 押し出し 篠侑磨
松井奏凪人 寄り倒し 篠崎颯太

 ▽決勝
高山瞬佑 すくい投げ 松井奏凪人

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2022年7月29日のニュース