ブレイクダンス 半井重幸「世界的ムーブメント起こしたい」パリ五輪金候補
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2024年7月26日のパリ五輪開幕までちょうど2年。新種目のブレイクダンスで金メダル候補のShigekix(シゲキックス)こと半井重幸(20)が単独インタビューに応じた。20年に世界最高峰の大会を史上最年少の18歳で制するなど獲得した国際タイトルは通算46個。日本の第一人者は金メダル以上の成果を求めダンスで世界的ムーブメントを起こす青写真を描く。
軽快な音楽に合わせてダイナミックに動いていた体がアクロバチックな体勢でピタリと静止した。パリ五輪でブレイクダンス実施が決まった20年12月から1年7カ月。半井は毎日3時間以上に及ぶ練習で体を鍛え、感性を磨いてきた。
「この2年は常に五輪が頭の中にある生活を送り、いい意味で早く感じた。音楽を感じること、踊ることが心の底から好きで、非日常的な瞬間がたまらない。五輪はブレイキンを多くの人に知ってもらうチャンス。自分が少しでもポジティブなエネルギーになれればいいと思っている」
原点は「ストリートダンスの聖地」とされるOCAT(大阪市浪速区)地下1階のポンテ広場。7歳でダンスを始めてから18歳で東京に拠点を移すまで、聖地で踊るのが日課だった。どんな音楽にも対応できる半井のミュージカリティー(音楽性)はストリートで育まれた。
「僕は根っからのストリート育ち。ポンテ広場は会社員や学生が多いので、皆が集うのは午後9時から12時ぐらい。日本に旅行に来た外国人が踊ったりもしていた。家から車で片道40分の道のりを毎日両親に送ってもらった。そこでいろいろな人に出会い、教わり、感じとり、自分のスタイルを磨いた。同じ人が同じ端末でかける音楽には偏りがあるが、広場でかかる曲はランダム。それに合わせて踊ることを小さい頃から楽しんでいた」
ダンサーネームのShigekixは名前の重幸(しげゆき)から派生しUHA味覚糖の商品に由来。ダンスを始めてすぐにポンテ広場で知り合った先輩に名付けられた。
「凄く愛着のある名前。11歳ぐらいから世界大会に出てYouTubeなどで名前が出るようになったので、味覚糖さんに許可を取ったら“どうぞ使ってください”と快諾していただいた。20年の世界タイトル獲得後に改めて味覚糖さんと話をさせてもらい、その後はアンバサダーという形で広告、CMもやらせてもらっている。もちろんお菓子のシゲキックスも好き。家には常備してます」
試合はディスクジョッキー(DJ)が流すヒップホップ調の音楽に即興で踊りを合わせ、1対1の対戦形式で争うのが基本。ラウンド(ダンサーが交互に踊り合う回数)はイベントによって異なるが、2~4ラウンドで行うことが多い。1回に踊る時間は自由だが、通常は30秒から最大でも1分以内。基本技は(1)立って踊る「トップロック」(2)かがんだ状態で足技を繰り出す「フットワーク」(3)頭や肩など全身を使って回ったり跳ねたりする「パワームーブ」(4)ピタッと止まる「フリーズ」の4要素がある。採点制度の詳細はパリ五輪に向けて整備中だが、技の難易度、構成、音との調和、独創性などをジャッジされる。
「僕が1回に踊る時間は平均で40秒ちょっと。世界的に見ると長く踊れている方で、スタミナを評価されることも多い。この40秒を1秒も無駄にしない、いかに非の打ちどころのないものにするかが勝負。人それぞれの見せ方、スタイルがあり、正解はない。皆が自分なりに追求した形をぶつけ合い、その瞬間の勝敗がつき、王者が決まる。一つの軸ではなく、人それぞれが持ってきた軸をぶつけ合うのが魅力ですね」
昨夏の東京五輪では新種目スケートボードの女子パークで10代選手が表彰台を独占。勝敗に関係なく互いを励まし合う姿が注目を浴び称賛された。
「ブレイキンとスケボーはストリートカルチャーで同じ畑。お互いを励まし合う姿は僕たちには当たり前だが、それが世の中的には新鮮な光景だったみたいなので“へー”という感じ。当たり前のことが他の人から見たら特別で、評価してもらえたのはうれしい」
ブレイクダンス会場はパリ中心部セーヌ川北岸のコンコルド広場。ポンテ広場から始まった夢は2年後にハイライトを迎える。
「ブレイキンはスポーツよりもアートに近く、自由に自己表現できる。何にも押さえつけられず、自分の感じたことをダンスでアウトプットできる。五輪ではこれまでの経験や思い、その瞬間に感じるものを表現して、何かが生まれると思う。その時の自分のありのまま、等身大の姿を踊りで世界に伝えたい。どんな大会でもやるからには優勝を目指すのは変わらない。ダンスで世界的なムーブメントを起こしたい」
◇半井 重幸(なからい・しげゆき) ☆生まれとサイズ 2002年(平14)3月11日生まれ、大阪府大阪狭山市出身の20歳。身長1メートル66、体重58キロ、体脂肪率7%。足のサイズは26.5センチ。
☆競技 7歳でブレイクダンスを始め、11歳から世界大会に挑戦。キッズ部門で無敵の存在となり、13歳で一般の部で初優勝を果たす。18年のユース五輪で銅メダル。20年に世界最高峰の大会「Red Bull BC One World Final」を史上最年少の18歳で制した。獲得した国際タイトルは通算46個。
☆所属 中学卒業後の17年にTEAM G―SHOCKに加入。19年にはレッドブルと契約し、Red Bull BC One All Starsに加入した。レッドブル、G―SHOCK、ナイキ、エクスペリアなどとスポンサー契約を結ぶ。
☆特技 絵を描くこと。腕前はプロ級で個展のオファーも来ている。海外遠征時には美術館に足を運ぶことも多い。親交のあるアーティストSHUN SUDOのファン。幼稚園から小学4年まで打ち込んだトランポリンも得意。
▽ブレイクダンス 採点競技で本来の名称はブレイキン。1対1、またはチームで音楽に乗せてアクロバチックなダンスを披露し合い、技術や創造性を競う。1970年代に米ニューヨークのギャングの抗争で暴力ではなく踊りで平和的に対決するようになったことが起源とされる。パリ五輪は1対1を採用。出場枠は男女各16人で、各国・地域から最大2人。23年9月の世界選手権の優勝者が出場内定1号となり、5枠は大陸別の大会、残りはIOC(国際オリンピック委員会)が導入する予選シリーズなどで決める。
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